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双子のきょうだい 6

え、でも、匂いって・・・」


「これはねぇ、先代のお祖母さんだったかな? その方の娘時代のお手製らしいんです。ちょっと縫い目が不器用だったでしょ?」


「あー・・・そういえば・・・」


裏返した時、糸の見える場所があったような。


「これを縫うのに、家の中の着物とか、色んなものから布地を切り取ったそうなんです。まだ気持ちが幼かったせいでしょうかねぇ。子供って大人がびっくりするようなことしますよね。両親かも大目玉を食らったそうなんですが、それを<もらったほう>がとても喜んだらしくてねぇ。家にちょっとした良いことがしばらく続いたそうです」


「はぁ・・・」


もらった方? 敷物を・・・? お気に入りの敷物の、匂い?

あれ? なんだかわけが分からなく・・・


「ということで、僕、この忘れ物もってもう一度行ってきますね」


「あ、あの男の子・・・」


「大丈夫。僕の持ってるこれ」


そう言って、店主は懐をぽん、とたたいた。


「これの匂いに安心して、ちゃんと大人しくついて来るでしょう」


「えっと・・・」


「あー、さっきの男の子はね、そうだなぁ、店の裏口から出たんじゃないかな。ほら、そっちの台所。奥に勝手口があるんです。知らなかったですか?」


「そ、そうなんでしょうか?」


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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もこっちの<俺>も、元はみんな同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『俺は名無しの何でも屋! ~日常のちょっとしたご不便、お困りごとを地味に解決します~(旧題:何でも屋の<俺>の四季)』慈恩堂以外の<俺>の日常。
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