『手掛かり』
お待たせしました。
どうぞお楽しみください。
暗闇の中ハッチを開けながら通路を進んでいく。
動くたびに埃が舞い上がるが目だし帽を被っているので直接は吸い込むこむ事はないが息苦しいものはどうしようもない。
ヘルメットに装着されている暗視装置はその性能を十分に発揮している。
ベネリM4スーペル90を構えながらさらに奥に進んでいく。
レールには無倍率のドットサイトとフラッシュライト,レーザー照準器を装着している。
ベネリ M4 スーペル90はイタリアのべネリ社で制作された。
散弾銃は狭い場所では凶悪な威力を発揮する。さらにショットシェルを使い分けることで暴徒鎮圧にも使用することができる。
俺は『|The captain's cabin《船長室》』と書かれているプレートがついた扉にたどり着く。ここまで来るまでに船内には争ったり,荒らされた形跡は確認できていない。
考えられる可能性は・・・船員は何らかの事態が起きて全員脱出したか,もしくはこちらの世界に来た時に全員死んだかだ。
航海日誌は艦橋にはなかった。
手がかりがあるとすれば船長室だろうと考えた。
PDAには新たにマップが追加されていたことに気づき開いてみると。
どうやらこの船のマップのようだ。マップを確認しながら船長室にたどり着くことができた。船長室の扉には鍵はかかっておらず,罠の様な物もない。
慎重に扉を開けるが,船長室も他の場所と同様特に荒らされた形跡はない。
デスクの上に無造作に置かれている資料に目を通していく。
特におかしな物は見つからない。
さらに俺はデスクの引き出しを開けて中身を確認する。
「・・・ん?」
引き出しの奥には小さな手帳が入っていた。
名前は・・・チャールズ・D・クレファー。
この船の艦長のものだろう。
20✕✕年 7月 24日
本国を出港しすでに6日,特に問題という問題は起こっていない。海も穏やかで嵐の気配さえない。
順調すぎる航海だ。
最近は妙な噂を聞いたがこの分なら問題ないだろう。
早く故郷に帰らなくては,娘の誕生日プレゼントはどうしたものか。
20✕✕年 7月 25日
目的地もあと僅かなところで問題が起こった。
船員の3人が船内から姿をくらませた。3人とも人柄は問題ない。
さらに船内から何の痕跡もなく消えるなんてことはありえない。これも最近の妙な噂に関係しているのか。警戒はしておくに越したことはないな。
20✕✕年 7月 29日
次々と船員が消えていく。
いったいどうなっているんだ。悪い夢でも見ているのか。
艦内は常に監視しているがそれをあざ笑うかのごとく次々と乗組員が行方不明になる。
無線も繋がらなくなり,通信手段がすべてダメになった。
どうなっているんだ。
そこからの記録は書かれていなかった。
いったい乗組員たちになにが起こったんだ・・・・。
この情報だけではまだ不可解な点が多すぎる。
貨物室に行けば何か役に立つものがあるかもしれないな。
船長室の机の上の資料では大量の銃器,弾薬,戦闘車両,航空機がこの補給貨物船に積まれていることが書かれていた。
貨物室には問題なくたどり着いた。
ハッチを開け,天井が高い部屋に出る。
そこには大量の兵器が手つかずで佇んでいた。
戦車,装甲車,ヘリどれもまだ見た感じでは損傷らしきものは見られない。
とりあえずここまで確認できたことは大きな成果だ。
俺は部屋を出る際に,誰もいない貨物室に敬礼をしてその場を後にする。
投稿が遅れて申し訳ありません。
なかなか文章がまとまらず逃避をしていました。
これからは修正を加えながら進めていきたいと思います。
ご意見やご感想があればよろしくお願いします。