『村の奪還(2)』
ようやく続きができました。どうぞお楽しみください。
後々修正を入れていきたいと思います。
民家の盗賊を排除した俺は,さらに村の奥に進んでいく。
村の中心には開けた広場がありその中央にこの村の民家と比べると大きな建物が建っていた。その周りには血に塗れた武器をもった盗賊たちが取り囲んでいた。
村人達はあの建物の中か?
それにしてもあの建物は船の艦橋に似ているな。
正面の入り口は取っ手の変わりにハンドルが着いており,ハンドルを回すと開く仕組みになっている。
篭城ということは救援がくるのかもしれない。だが村人が軍事的知識を持っているとは限らない。
ただたんに逃げ切れない事をみこしてあそこに避難しただけかもしれない。
盗賊たちは建物の入り口を破壊しようと建物に近づくが建物のおよそ三階建てほどの高さから村人が矢を放ってくるため近づこうにも近づけナられないでいる。
建物のハッチは金属でできておりさらになかなかの厚みがありそうだ。
建物から離れて指示を出しているいる男が盗賊のリーダーだと思われる。
井戸の周りに縛られた人が集められていた。
どうやら逃げ遅れた村人のようだ。その中から盗賊が縛られている少女を無理やり引きずりながら建物の前につれてくる。
少女の衣服は所々が破けていたり,地面に引きずられ汚れ放題だ。
「よく聞け!! お前達が出てこなければ俺達が捕まえた村人を1人ずつ殺していく」
「いやぁ! 放して!!」
村人がなかなか粘る為,しびれを切らした盗賊は人質を利用してきたようだ。
村人にとっては辛い決断だろう。
村では人口がそれほど多くない為全員が面識があることが多い。
子供が生まれれば村全体でお祝いし,病や事故で死ねば村全体で弔う。
全員が『家族』なのだ。
少女は必死で抵抗するが盗賊が少女の顔を容赦なく殴る。少女は縛られている為,腕で守る事さえできない。顔は殴られたことで唇から血が流れ殴られた頬は赤く腫れている。
このままだとあの少女が持たないな。
「5つ待ってやる! おとなしく従うならこのガキとお前らは殺さないでやる」
盗賊のリーダーがカウントを始める。
盗賊たちの位置を再び確認し,少女に振り下ろされようとしていた盗賊のリーダーの剣とそれを掴む指を吹き飛ばす。
「ぎゃあぁぁぁ!?」
リーダーはあまりの激痛に指がなくなった手をつかむ。
サプレッサーを装着していなかったため盗賊たちは俺の存在に気づき銃に驚いているが数名がそれぞれの武器を手に向かってくる。
まずは向かってくる盗賊めがけてフルオートで弾丸を打ち出す。
弾丸は容赦なく盗賊たちが身につけている防具を貫いていく。
盾ですら貫通し,盗賊の頭部を粉砕する。
俺の介入にあっけにとられて盗賊たちはすでに3分の1がすでに銃弾に貫かれて瀕死あるいは即死した。仲間がやられながらも盗賊が俺の元に武器を手に殺到する。数では盗賊の方が上だからだろう。
全弾を撃ちつくしたM4のボルトキャッチが働きボルトキャリアがオープンした状態でロックされる。
マガジンキャッチを押し,空になった弾倉が自らの重さで地面に落下する。弾倉を回収している暇はない為,素早く弾倉ポーチから5.56x45mm NATO弾が30発入る箱型の弾倉を取り出し装着,ボルトキャッチを押してボルトキャリアが弾丸を薬室におしこみ再び一方的な殺戮を開始する。
一方的な攻撃で盗賊たちは近づく事すらできないで半分以上が排除された。
うまく後ろに回りこむことに成功した盗賊が槍を構え突っ込んでく。自分に迫る槍の穂先をM4のストックで弾いてそらし、アサルトブーツの蹴りを盗賊の頭に叩き込む。
その時丁度2つめのマガジンを使い切った所だった。
「うらぁぁぁ!」
その隙を突いてぼろぼろのロングソードと斧を振り上げた2人の盗賊が左右からせまる。
瞬時にM4の弾倉を再装填し,レッグホルスターから拳銃を引き抜く。
M4を片手の腰だめでロングソードを持つ盗賊に連射で弾丸を浴びせ。右手の拳銃で斧の盗賊の胸に2発弾丸を撃ち込む。
盗賊たちも次々に仲間がやられていき旗色が悪くなってきていることを感じていた。
あれほどいた仲間をたった1人で,ものの数分でずたずたにして殺した俺という存在にどうしようもない恐怖が蓄積されていく。
やがて1人の盗賊が後ろに後ずさりはじめ逃げ出す。それに続いて生き残っていた盗賊たちは我先にと背中を見せて逃げていく。中には武器を捨て少しでも身体を身軽にして必死に走る者もいる。
拳銃をレッグホルスターにしまい自動小銃の弾倉を再装填しホロサイトを覗き込む。
盗賊たちに逃げられるという選択は存在しなかった。
音速を超えて飛来する弾丸からは逃れる事はできないのだから。
セミオートに切り替え,逃げる盗賊たちの命を容赦なく刈り取る。
そこには一片の慈悲もない。
ただあるのは『死』ということだけだ。
最終的に生き残ったのは初めに剣と指を飛ばした盗賊のリーダーただ独りになっていた。
盗賊のリーダーも逃げようとするがそんな事はさせない。顎をM4のストックでなぐり,さらに顔をアサルトブーツで蹴りあげる。
歯が折れて飛び散るがまったく気にならない。
簡易手錠を取り出し盗賊のリーダーの男の手を体の後ろで縛る。
簡易手錠は一見するとプラスチックのヒモだが警察や軍特殊部隊でも使用されており,対象者を瞬間かつ容易に拘束する事ができる。
固定部の縦穴に通して止めると刃物等で切断しない限り外す事が出来ず,使用しない場合は固定部中心に開けられた横穴に通して固定しておく事も可能となっている。
盗賊の意識がないことを確認してから人質にされていた少女に近づいていく。
少女は俺を見ると怯えた瞳を向けてくる。
ゆっくりと少女に近づいていき手を縛りつけてい縄をナイフで切る。
「よく頑張った。安心しろ,もう大丈夫だ」
俺ができるだけ優しい口調で話し頭をなでると,少女は俺に抱きつき顔を埋めながら泣いた。
それもそのはずだまだ十代の少女。
死と言う恐怖はその幼い心に傷をつくる。
ようやく少し落ち着き,少女にナイフを渡し他に捕まっている村人の縄をきるように言う。
ここでようやく村人達が立てこもっていた建物の入り口のハンドルが回され,ハッチが開かれた。
「ようやくひと段落か・・・・・」
大きく息をはき空を見る―――――。
空にはいまだに星が輝いていた。
いかがでしたか?
今回で『村の奪還』は終わりになります。
次の作品は恐らく1ヶ月とちょっとかかると思いますができる限り頑張って早く投稿するように努力します。
ご意見やご感想があればどうぞ宜しくお願いします。やる気がでれば早く投稿できる確率が上がります。
それでは,これからもこの作品を宜しくお願いします。