『街道確保(1)』
皆さんあけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
緑色の草が周りに生い茂る道を商品を載せた馬車がゆっくりと進んでいく。
馬車の周りには護衛として雇われた冒険者ギルド所属の冒険者が10人ほど周りを警戒しながら首都『アルタイル』に向かっている。
この世界では,移動方法は基本徒歩だ。馬や馬車は商人や貴族などの裕福な者たちが使う。
商業都市『シェール』を出発し1日が立った。
首都まではこのままの速度で向かえば4日ほどのところにある。
今回は最近被害が頻発になった魔物と盗賊への対策として冒険者を通常の倍雇っていた。
経営上厳しいが品物を奪われたら損害は辞計り知れない物になってしまう。これも必要な出費だと商人は割り切った。
ギルド長からは傭兵も雇い入れたことを聞かされている。なんでも街道の安全を確保するために雇い入れたそうだ。ギルド長は,素性も知れない傭兵を雇うことは決してない。
信用できると考えていいだろう。
あと半日ほどで街道にある町に到着するところで後方を警戒していた弓を使う冒険者が何かが近づいてくるのに気付いた。馬車の上に上り見晴らしのいいところから近づいてきているものを改めて確認する。
「おい,まじかよ・・・・!」
「いったい何なんだ?」
「レッドキャップだ!!」
「ッ!?」
冒険者と商人は信じられなかった。
レッドキャップは緑色の小柄な体格している。特徴として赤い綿で作った帽子を被る魔物だ。しかし,レッドキャップは本来森の奥に住み,こんな街道まで降りてくることはない。
奴らは素早く知恵もそこそこある。数体なら何とかできるが群れなどで襲われたらCランクの冒険者でも手こずる相手なのだ。
「急ぐぞ!」
馬車を勢いよく走らせるしかし武器を持った冒険者も載せているのと大型の馬車のためあまりスピードを出すことができない。
レッドキャップとの距離はさらに縮まってきた。
冒険者のリーダーでもあるガドルが決断した。彼は経験も豊富なこの護衛唯一のBランクの冒険者だ。
彼は自分を含めた冒険者7人が残り足止めをし,残りの3人が商人を守りながら町に送り町から応援を呼んでくることにかけた。
それが今現在で荷物が無事に町まで届くことができ,自分たちが生き残る確率が一番高いのだ。
7人の冒険者は馬車から降り迎撃態勢を整える。残りの3人の冒険者は馬車に残り町まで商人を護衛しながら猛スピードで町まで急いだ。
「来るぞ!! 弓矢、仕留められなくてもいいから奴らの足を狙え! 動きを鈍くさせろ」
冒険者がそれぞれの獲物を構える。
ガドルは,バスタードソードを両手でしっかり構えレッドキャップが近づいてくるのを待つ。
バスタードソードは,刀身の3分の1付近までが両刃になっており柄の長さが従来の剣の長さよりも拳一つ半ほど長く,そのため『片手半剣』の別名がある。この柄の長さは応用が効き,片手で切り付けることも,両手で構えて突き刺したり,突進することもできる。
「放てぇ!!」
ガルドの合図で2人の弓を構えていた冒険者が矢を放つ。
他の冒険者は矢から逃れたレッドキャップに襲い掛かる。
命の奪い合いが始まった。
◆
馬車は舗装されていない道を猛スピードで走る。時折,馬車が大きく揺れ中の商品が転がるがそんなことを気にしているわけにはいかない。
レッドキャップがすぐそこまで迫っているのだ。
ガルドたちが相手にしているレッドキャップとはまた別の集団に襲われているのだ。
奇襲は何とか交わしたが2頭の馬の体力の消耗が激しいためジリジリ距離が縮まっていく。
3人の冒険者は弓や槍を使いなんとか馬車への接近を防いでいるが長くは持ちそうもない。
「取り付かれたぞ! 叩き落とせ!!」
町は見えるところなのだがまだ遠い。
レッドキャップが馬車に取り付き冒険者の一人がショートソードを抜く。
馬車の上では冒険者3人が商人を守りながら必死の抵抗を続けていた。
商人も必死に手綱を握り馬を走らせる。
新たにレッドキャップが乗り込んできたことでかろうじて支えていた均衡が崩れた。
冒険者の守りを抜けた1体のレッドキャップが手綱を必死に握る商人に飛び掛かった。冒険者は3人とも他のレッドキャップにくぎ付けにさており援護することができない。
レッドキャップが商人に飛び掛かる寸前に脳みそをまき散らしながら馬車から落ちていく。
その時,何が起きたのか商人と冒険者には理解できなかった。
ようやく更新できました。
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