表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/36

第六話 授業⑤

「何を恥ずかしがっているのよ?」

 明日香は呆れたように俺を見てくる。約束通り、俺は明日香と一緒に風呂に入っていた。もちろん蘭も一緒だ。

「しかし、広い風呂だよな」

 俺は恥ずかしさを紛らわすために、辺りを見渡した。三人も入っているのに、まだまだ余裕がある。あと十人以上は入れそうな広さだ。明日香の家は金持ちだけあって、風呂も豪華だ。浴槽とタイルは大理石でできている。もし転んだりしたら危ないな。

「うむ、広すぎて何だかそわそわするのだ」

「そう? 私はしないけど? ところで氷河は何で下半身を隠しているのかしら? 私は堂々と見せてあげているのに、情けないわね」

「う、うるさい」

 俺と蘭はタオルを巻いているが、明日香は巻いていなかった。恥ずかしげもなく、裸をさらしている。どこに視線を向けたらいいか分からない。

 何とはなしにお湯を見つめていると、何かが光った気がした。すぐに顔を上げて辺りを見渡すも、何が光ったかは分からなかった。

「何をキョロキョロと見渡しているのよ、氷河?」

「今、何か光らなかったか?」

「気のせいよ。ねえ、蘭?」

「う、うむ、そう……だな」

 どことなく蘭は歯切れが悪かった。いったいどうしたのだろうか? やっぱり何か光っていたのか?

「蘭、いったい何がひか――」

「氷河、背中を洗ってあげるから、湯船から出てくれる?」

 蘭に聞こうとしたが、明日香に遮られた。俺は仕方なく、湯船から出た。

 明日香は手に石鹸をつけて俺の背中を洗い始めた。まさか直接手で洗ってくれるとは思わなかった。明日香の手の温もりが背中に伝わる。なんかドキドキしてきた。

「あら、顔が赤くなってるじゃない。照れちゃって、かわいいところもあるのね」

 明日香は俺の耳を甘噛みしてきた。

 とても恥ずかしいが、裸の付き合いも悪くはないな。

感想頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ