第三話 能力レース⑤
一方狼牙たちは廊下で相手チームと交戦していた。氷河を追いかけて階段を駆け上がり、氷河が相手チームと交戦しているところに遭遇し、現在の状況に至った。
氷河を先に行かそうとしたが、薄弱がすぐに追いかけて左側の奥の教室に連れ込んだ。氷河たちの戦況が気になるが、今は目の前の事に集中するぜ。
「獣ワシだぜ!」
狼牙は鷲に姿を変貌させて空中へと舞う。
「鷲の風だぜ!」
翼を羽ばたかせて風を巻き起こした。
『うわぁ!』
相手チームは声を上げて、吹っ飛んでいく。何人かは絡みあっていた。
「まだまだ! 鷲の風だぜ!」
起き上がろうとしているところにもう一度、風を巻き起こした。
『うおっ!』
またもや相手チームは吹っ飛んだ。
『ふおおお!』
相手チームは起き上がって、こちらに向かってきた。
「俺に任せろ!」
仲間の一人が向かっていく。
「砂」
砂が出現し、相手チームに襲い掛かった。
「木」
相手チームの前に木が出現し、砂を受け止めた。
「俺の見せ場が……」
仲間は悔しそうに表情を歪める。
「獣ゾウだぜ!」
狼牙は鷲から象へと姿を変貌させた。
「象の突進だぜ!」
狼牙は木に向かって勢いよく突進した。
木は見事に破壊されて廊下に散らばった。
「くっ!」
相手はすぐさま木を生成し、狼牙に向けて放った。
「獣ワシだぜ!」
瞬時に鷲へと姿を変貌させ、木を避けて後退する。
「砂を使えだぜ!」
「分かった! 砂!」
仲間が狼牙の指示通り、砂を相手チームに向けて放った。
「鷲の風だぜ!」
すかさず狼牙は翼を羽ばたかせて風を巻き起こし、砂を拡散させた。
『ぐあ、目に砂が』
相手チームは悶え苦しむかのように、両目をこすった。
「今のうちにやってしまえだぜ!」
狼牙たちは一斉に相手チームに襲い掛かった。
「ぐあ」
砂で目を開けられない相手はいとも簡単に吹っ飛んでいく。
「獣クモだぜ!」
狼牙は蜘蛛に姿を変貌させた。
「蜘蛛の糸」
狼牙は口内からネバネバした糸を発射した。何人かがその糸で動けなくなる。
『ほあぁ!』
相手チームは気合を入れて必死で抜け出そうと試みるが、動けない。
狼牙たちは相手チームを向こうへと押し出し、曲がり角を折れようとした。
『……!』
突如、赤き閃光が目の前を覆った。
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