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お義父さんとお義母さんとのお話

前回はお父さん達のお話だったので、今回はお母さん達のお話も少し。

お母さん達の会話の感じが伝わっていたら嬉しいです。



「…すまなかったね、浅緋くん」

「いえ。こちらこそ、父が付き合わせてしまってすみません」

「料理は、食べたのかな?」

「はい、いただきました」

「そうか。君はうちに来てもいつも小食だし、うちの息子はよく食べるだろ。誠治朗から、事情は少しだけ聞いていたんだが…。嫌な思いをさせてしまったんじゃないか」

「いえ、そんな…!昔からですし、父も話したと思いますが、息子さんのおかげで、食事の時間が楽しいと思えるようになりました。両親と食事をすることが出来るようになって、本当に感謝しています。それに何より…誠治朗の…僕が作った料理を、美味しそうに食べる顔が、一番好きなんです」

「そうか」



「その…少しだけ立ち聞きしてしまって…。父が、あんな風に思ってくれていること、なかなか聞くことが出来ないので…。嬉しかったです」

「失礼だが、君はご両親のことは?」

「知っています。幼い頃、母が教えてくれたので」

「そうか」

「僕も何度か、子供がいたら…と考えたことがあります。誠治朗は子どもが好きですし、何度か陽光(はるひこ)くんと琴音ちゃんと遊んでいるときに」

「ああ、あの子たちもよく懐いているもんな」


「嬉しいです。僕は兄弟がいないので、二人が懐いてくれて、一緒に遊んだり、料理をしたりするときに、ふと…。両親がどう思っているかと考えたこともあります。でも、いざ聞こうと思うと、勇気が出なくて」

「…君も、考えてはいたんだね」


「誠治朗のことも考えました。でも…どうしても、僕は誠治朗と一緒に生きていきたいんです。先ほどもお伝えしましたが、どうか、息子さんと家族になること、認めていただけないでしょうか」




「…浅緋くん、頭をあげなさい」

「…」

「うちの息子は、自由奔放だし、とにかくよく食べる。私のいう事なんかほとんど聞いたことがない。だけど、君といるあいつは、とにかく幸せそうだ。君もそう。…最初から反対するつもりなんてなかったよ」

「あの…」


「ありがとう、あいつをよろしく頼むよ」

「…!!ありがとうございます!」

「それから、どうか私たちも、君たちの家族の輪に入れてくれたら嬉しい。またいつでも遊びに来なさい」

「はい…!!」

「さて、戻ろうか。私たちの分まで食べられてしまう」

「…そうですね」



-----------------------------------------------------------------

【お母さん達の内緒話】

---浅緋と誠治朗が父親二人を探しに出た後のこと---


「すみません、主人が失礼なことを言って…。あの人、反対しているように見せているだけで、本当は少し寂しいだけなんです」

「いえいえ、分かります。うちも息子が一人暮らしする時に、少し寂しい思いをしました」



「…子ども達に厳しく接することが多いんですけど、子どものことが好きなんです。ああ見えて。昔から本当に素直じゃないんだから」

「ふふ、素敵な旦那さんですね」

「…そうですかねぇ」


「うちは、子どもと血が繋がっていないんです、実は」

「…息子から、少しだけ聞きました」

「あ、そうでしたか!なかなか子どもが授からなかったし、なかなか食べられない子で…随分悩みながら、一緒に成長してきたつもりでいました」

「そう…」


「今日、真剣に話すあの子たちをみて、ああ、本当に大人になったなあと泣きそうになってしまいました。こんなに好きだと思える人に出会えたんだなって」

「そうですね、私もです…あの子があんなに真剣に話をしてくれることなんて、なかったので」

「ふふふ。誠ちゃんは本当にいい子ですよねぇ。それから、何度か遊びに来てくれた、陽光くんと琴音ちゃんも」

「あ、下の子たちも。よく遊びに行かせていただいて、本当にありがとうございました!」


「もう随分大きくなったんじゃないですか?いくつになりました?」

「陽光は今年で19です。琴音はもうすぐ14に」

「わあ!もうそんなに大きくなったんだ!そうですよね、あの子たちももう25とかだし」

「そうなんですよ。一番下はついこの前まで反抗期で…なかなか大変でした」

「あら、琴音ちゃんが!?」


「そうなんですよ。もう落ち着いたんですが、どうやら原因は、二人が付き合っていることにショックを受けたことだったみたいで」

「あら、それは…うちの息子が、なんだかすみません」

「いえいえ。無事に仲直りしてもうケロッとしていて…なんだか拍子抜けです笑」

「そうなんですか。浅緋は特に反抗期はなかったなあ。その前が色々大変だったので、あっても気付かなかったのかも」

「浅緋くんこそ本当にいい子ですよね、料理上手だし、お勉強教えるのも上手だし。陽光がよく勉強みてもらっています」

「あら、そうなんですか?それは知らなかった!」

「それから…」


-----------------------------------------------------------------


「あれ、随分盛り上がってるね。デザート決まった?」

「おかえりなさい。…やだ、話に夢中でデザート決めてなかったね、私たち」

「ほんと!浅緋くんたちが来るまでに決めなくちゃ」


「もう少し、かかるかもしれません」

「あらそう?んじゃ先に決めましょう。誠ちゃんもお父さんもほらほら!」


「わー3種類から選べるの?どうしよう、迷うんだけど…誠治朗、どうする?」

「好きなのにすればいいじゃん」

「あ、誠ちゃん、そうじゃないんだなあ。誠ちゃんのも聞いて、決めたいんじゃない」

「そういうもの?」

「そういうもの」


「誠ちゃん、僕はプリンにしようかな」

「おじさん決めるのはや!!え、んじゃ俺は…」


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浅緋と父がつく頃には、こちら4人ですっかり仲良くなっており、

なんだか気まずそうにしていた父も、その勢いに飲まれて、帰るころには全員随分仲良くなっていた。


「今日はありがとうございました」

「こちらこそ、楽しかった。ありがとう、浅緋くん」

「またうちにも遊びにおいで!陽光と琴音が待ってるから」

「はい、ありがとうございます!」



「誠ちゃん、うちにも遊びにきてね!よかったら陽光くんと琴音ちゃんも連れてきて」

「はい!二人とも喜びます!」



こうして、両家の食事会は無事に終わり、俺たちは晴れて同棲…もとい、二人の新生活を始めた。

気持ち新たに、家族として。





ちょこっと裏話

前回浅緋の名前の裏話をしたので、誠治朗の名付けの裏話を。

誠治朗は元々が勘右衛門くんという大変古風な知ってる人は知っているお名前でして…。

(このお話、元々は二次創作で書いていたものをリメイクしています)

私からしたら古風というか…硬派?え、硬派…というか5文字でそろえていきたいな、と思い

元々の苗字はそのままいただくことにしたので、これまた画数がいいお名前にしようと

誠治朗くんになりました。

陽光はるひこくんは、元々は彦四郎くんというお名前でした…。

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