立ちはだかる壁は
誠治朗が同棲に了承したことで、俺に立ちはだかる壁は3つ。
うちの両親、琴音、誠治朗の父親 だ。
誠治朗は今でもよくうちの実家に遊びにくるし、
うちの両親はまるで息子のように誠治朗を可愛がっている。
が、あくまでも俺達は仲のいい友達だと思っている。
とくに詳しく話したことはない。
ただ…そろそろきちんと話したいと思っていた。
誠治朗が相手である以上、二人に孫を抱かせてやることは出来ない。
生物学上、どう頑張っても無理だ。
ただ、俺は誠治朗と添い遂げたいと心に決めている。
例え、それを理解してもらえなくても…。伝えなくては始まらない。
琴音は…絶賛反抗期だ。誠治朗がほとんど毎日うちに帰ってくるのは、それが理由の一つ。
つい先日、ほんの一瞬…キスしているところを琴音に目撃されてしまったせいで…
まあ、拒絶反応がすごいらしい…。
大好きな兄ちゃんが俺にとられたと泣くわ喚くわで…正直、ちょっと俺の手に余る惨劇となってしまった。
かと思えば、浅緋兄ちゃんを誠ちゃんが独り占めにすると怒る始末…。
つまり俺達のことは好いているわけだ。ただ小さいうちからよく遊んだ分、ショックが大きいらしい。
このままでは、お互い良くない。せっかく仲のいい兄妹仲をこんな形で割きたいなど思っていない。
早急になんとかしたい…。
そして、最大の壁が、誠治朗の父親だ。
昔気質のなかなか厳しい方で…。良くも悪くもかなり手強い。
そんな人に、いわゆる"息子さんをください"とお願いしに行くのだ。恐らく一筋縄ではいかない。
「はぁ…」
「どした?」
「いや…ちょっと考え事してただけ…」
「…ぎゅっとしとく?」
「…しとく」
どこから解決していくべきか…。
誰から了承してもらうか…。
「浅緋、一人で考え込むなよ」
「いや…うん。そうだな」
一人で考えても仕方ないよな…。
とりあえず、誠治朗に打ち明けることから始めなくては。
次回からまた誠治朗sideに移ります。




