二百文字で語る歴史その肆(し)「太田道灌暗殺」
オチがないお話です。
太田道灌は室町時代の武将で江戸城築城で有名である。
彼は敵が多く暗殺されたのも讒言があった為と言われる。
道灌が風呂から出たところを刺客曽我兵庫に襲われた。
その傷は深く、道灌は瀕死の状態だった。曽我兵庫が、
「かかる時さこそ命の惜しからめ」
と道灌の好きな短歌の上の句を詠んだ。
すると道灌は、
「かねてなき身と思い知らずば」
と見事に下の句を返し、絶命したという逸話がある。
まさに最後まで苛烈な人生の人であった。