硝煙
こんにちは、SIROです。初めて書くので最後まで読んでいってください。
よろしくです!
これはどこだろうか...
なにもわからない、なにも見えない
確かにあったものを掴もうとしたはずなのに
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俺の名前はゼノ。町外れの小さな小屋に住んでいるしがない冒険者志望の民である。最近では魔王軍の進行が激化しておりこの町でも徴兵召集として何人かの冒険者たちが王都へと赴いているのを知っている。
「おーい。ゼノー、今日の夕飯は魚と貝のスープにしよう。新鮮な魚が市場で売られてたんだ。」
俺を呼んだのは小屋で一緒に暮らしているおじさんである。身寄りがなかった俺をおじさんが拾ってくれて、もう一緒に暮らし始めて10年になるのではないだろうか。
ゼノ 「じゃあ魚と貝を煮るのに火がいるでしょう。俺が森で枯れ木を集めてきますよ。」
おじさん 「いつも悪いなぁ、もう十分、歳を食っちまってるのに世話かけるなぁ。」
おじさんはいつも俺を気遣ってくれる。こんな一人で旅に出る勇気もない、どこの骨かもわからないやつに。俺がなにか功績を得てもう少し良いところへ引っ越せる余裕ができたらいいのだがとよく考える次第である。
ゼノ 「少し、森に行ってきます。遅くならないようにします。」
おじさん 「あぁ、いってらっしゃい。気長に待ってるよ、気をつけてな。」
こんな日々が続くと俺はずっと思っていた。
過去は誰にも変えられない。
そして、未来は誰にもわからない。
敵だと認識していたものはいつから敵になっていたのだろうか。誰かが作り出している弱さや危機感、この感情により人は共通の敵を作り出す。
俺が小屋に戻ったとき、おじさんの死体だけが小屋にあった。そこら中に立ち込める硝煙と血の匂いが混じり鼻から脳天を刺激する。
この感情の名前もわからないまま、俺は泣き崩れてしまった。
それからどれくらいの時間が経っただろうか。動ける気力もないままに横を見たとき、そこには王都の兵隊が共通してつけているマークの切れ端が落ちていた。
そうか。
そうだもんな。
数日後
俺は10年住んだ小屋を後にして王都へ旅立つことにした。ここから俺の旅は始まる。
なにもなかった俺がすべてを明らかにする旅である。
硝煙 完
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