第6話 スキル を 取得しろ!
ゲームの説明回その2になります。
「名前、名前…うーん…」
何がいいかわからん。
とりあえず、多重起動で色々なサイトを見てみると、ひとつの名前が目に入った。
「お、これがイメージ通りかな?」
『造形愛の塊』って称号を取得したときに出てきた女神だからと、それにちなんだ女神っぽい名前がないかなぁと思ったが、それに近い名前があった。
「ミネルバってのが芸術とか工芸の女神か…ならそれから取って『ネル』ってところか?」
直接女神を連想させる名前は恐れ多い気がしたので、ちょっと拝借する形にしてみた。
果たして彼女は喜んでくれるだろうか。
横目でちらりと彼女を見てみると、彼女は笑顔のまま頷いてくれた。
ほっ、よかった。
「じゃ、改めて君の名前は『ネル』だ」
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名前:ネル
種族:神族
種族レベル:1
HP:5
MP:100
攻撃力:2
防御力:2
体力:1
知力:80
素早さ:2
器用さ:2
運:2
スキル:神聖魔法Lv1 工作Lv1 芸術Lv1 状態異常無効 浮遊 神性
マスター:ふぁる
現在の装備
武器
右手:なし
左手:なし
防具
頭:なし
体:なし
腕:なし
腰:なし
脚:なし
アクセサリー
首:なし
右手:なし
左手:なし
右足:なし
左足:なし
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※※※※※※※※※※
ちゃんと『ステータス』にも名前をつけたことが反映されたようだ。
さて、彼女、ネルに名前をつけたが、いろいろと見ないといけないものがある。
『ステータス』の画面を広げたまま、俺は彼女が持つ『スキル』を見ていく。
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スキル名:神聖魔法
Lv:1
説明:神族のみが使用できる魔法。Lvが上昇することでアーツを習得。
習得アーツ:ホーリー
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スキル名:工作
Lv:1
説明:物の制作に関連するスキル。Lvが上昇すると、練度上昇、工作可能なものが増加。
習得アーツ:木工
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スキル名:芸術
Lv:1
説明:文芸、美術、音楽などの芸術に関連するスキル。Lvが上昇すると、練度上昇、芸術の分野増加。
習得アーツ:絵画
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スキル名:状態異常無効
Lv:―
説明:あらゆる状態異常を無効にする。
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スキル名:浮遊
Lv:―
説明:浮いた状態が可能となる。移動速度は地上における速度と同等。
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スキル名:神性
Lv:―
説明:種族固有スキル。神性を纏う。
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うーむ、Lv1の割にいろいろなスキル覚えてるな。
RPGというくらいだから戦うこともあるってことで、魔法を使えるのは嬉しいな。
そして『状態異常無効』ってのも、字面を見る限りは良さそうだな。
でも、他のってなんだろうな、これ。
「この工作とか芸術ってのも、何かしら役に立つかもしれないな」
物を作ったり創作活動ができるってことだろうから、物を作ってもらうのにいいかもしれない。
次の『浮遊』ってのは見たまんま、浮いた状態ってことか。
これは地面に何かあっても大丈夫なんだろうなぁ。どれくらいまで浮くことができるのか、あとで確かめてみるか。
最後の『神性』だが…
説明を呼んでもおおざっぱすぎるからさっぱりわからん。
皆目見当もつかないな。でも、特に急ぐこともないし追々わかったらいいだろう。試行錯誤すればいいしな。
「ネルの能力も見れたし、今度は『スキル』の項目を見よう」
さて、『スキル』のほうだが、どうやら現在取得している『スキル』とは別に、『スキルポイント』を使用して覚えることができる『スキル』が表示されている。
「おー、こうしてみると結構あるな」
スキル一覧がずらりと並ぶ。
キャラクター作成したときの『種族』を選択したときのように、無数にあるようなスキルだが、それぞれ取得時に消費するポイントが違うようだ。
「『剣術』なんて『スキルポイント』を5も消費するのか。あ、こっちの『弓術』ってのも同じか…でも、何かを作る感じのスキルポイントは安いんだな。」
傾向で見ると、どうやら戦闘に関するスキルはポイントが高い感じだ。
だが、物作りをするスキルは取得しやすいようだ。
今の手持ちは5ポイント。
これは今後のことも考えて取ってかないといかんなぁ。
一覧に記載されている多種多様なスキルを眺めていると、またしてもネルが俺の服の裾をちょいちょいっと引っ張ってきた。
「ん、どうした?」
「――――」
どうやらテイムしている彼女にもスキル一覧が見えているようで、俺が見ているスキル一覧を見て、先ほどと同じように指さしていた。
何か気になったものでもあったか?
「…これを取得してほしいってか?」
指さしたのは『鑑定』『伐採』『加工』というスキル。
生産に関係するようなスキルで、冒険する感じではないが。
「まあ、オススメしてるってことでちょっと取ってみるか」
幸いポイントは3つとも1と低いので、早速取ってみることに。
『鑑定スキルを取得しました』
『伐採スキルを取得しました』
『加工スキルを取得しました』
スキルを取得するとウィンドウが表示されて、改めてスキルを獲得できたことが確認できた。
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スキル名:鑑定
Lv:1
説明:対象を評価・分析するスキル。Lvが上昇すると、分析する項目が増加。
――――――――――
スキル名:伐採
Lv:1
説明:木を伐採するのに必要なスキル。伐採用アイテムを所持することで効果を発揮。Lvが上昇すると伐採にかかる時間短縮。
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スキル名:加工
Lv:1
説明:取得したアイテムを加工し、生産に使用できる状態にするスキル。Lvが上昇すると、練度上昇、加工できるアイテムが増加。
取得アーツ:木材加工
――――――――――
鑑定で必要なものか判断して、伐採で木を取って、加工でその木材を加工する、と。
なるほど、確かにこれなら何かに使えそうだな。
ただ、今伐採用のアイテムを持ってないから、これをどうにかして手に入れないといけないな。
「あとでさっきの町にもどって手に入るか確認してみよう」
こうなったらさっさとチュートリアルを終わらせよう。
チュートリアルの続き、『フレンド』の部分の説明は、今のところ始めたばかりで空欄のままだが知り合った人とフレンドコードを交換すると、その人の現在を把握できたり、個別にチャット、メールのやりとりができるようだ。
交換要領を確認したら、最後に『インフォメーション』を見てみると、『チュートリアル』の項目や『用語集』なんて項目があった。他には、さっきプライバシー設定をした『設定』なんて項目もあったから、ここで色々とできるのだろう。
「『設定』のところでUIの表示があるのか。なら必要なのは表示させて、と」
UIの表示でミニマップの表示、俺だけではなくテイムしたモンスターのHPやMPも表示させることで、ようやくチュートリアルの項目が全部確認済みとなった。
というか、UIくらい最初から表示させてもらってもよかったのではなかろうか。
これがあれば最初から逃げるときも逃げやすかったと思うのだが…
はてさて、ひとまずこれで、『チュートリアル』は終了だ。
「よし、これで全部終わりだ。長々と待たせて悪かった」
ネルに謝りつつ、俺はようやくチュートリアルを終わらせることができた。
初心者に向けての第一歩が踏み出せたってところだろうか。
確認すべき事項を終えたので、俺はネルに向き合って今後の予定を話しておく。
「一度、町に戻ろうか。そこまで戻ったら今日のところは終わって、次は『伐採』のために道具を手に入れよう」
なんだかんだあったためか、チュートリアルを全部やったところ、いい時間になっていたようだ。
流石にここでログアウトするとどうなっているかわからないので、町に戻って終わるとしよう。
…また追っかけられたら、そのときは問答無用で逃げるか。
俺が町へ向けて歩き出すと、ネルもその後ろを嬉しそうについてきた。
こうして開始1日目から、俺は波乱万丈ながらゲームをスタートしたのだった。
お読みいただきありがとうございました。
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