第5話 ステータス を 調べよう!
ゲームの説明回その1になります。
流石に町の中心であるこの広場に長居すると、また人に囲まれてしまうだろうということで、町から抜け出して近くの平原に来てみた。
広場からは十字に大通りっぽいものが伸びており、しっかり踏み固められたその道を辿っていくと、町から出れる門に着いた。
門と言っても城壁っぽいものはなく、町と外の堺は木の柵で区切られているくらいで、
そこでは門番と思われるNPCに、今外に出るのは危険だと注意されてしまったが、どっちにしろ町の中にいてもまた追っかけっこで追いつめられるだろうから、多少危険でもいいから逃げ場が確保しやすい外のほうがいいだろう。
どうやら門の外は草原になっているようで、周囲から隠れることはできないが、誰か近寄ってきたらわかるようになっている分逃げやすいだろう。
「それじゃあ、平原のど真ん中だけど『チュートリアル』の続きをやりつつ、いろいろ確認していこう」
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「ここでできるのはこれで最後、と」
チュートリアルは各メニュー項目の使い方や表示の説明の、いたってシンプルなものだった。
そして各メニュー項目は、設定すれば常時視界の中に表示させることが可能らしい。
さっきアイテムを使うときにちょっとやったのと同じだな。もちろん拡大・縮小や変形も簡単にできるということだが、今は視界の中で邪魔。
ま、それは使いやすいように追々やっていこう。
さて、それぞれの項目を見てみるとするか。
『アイテム』は、さっきやったからわかっていたが、アイテムの使い方やアイテムの説明の表示。
今は使ったからないが、『造形愛の卵』があったときはこのような表示だった。
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名称:造形愛の卵
レアリティ:☆5
耐久値:―
説明:ユニーク称号「造形愛の塊」を『テイマー』が獲得した際のアイテム。使用することで卵が孵化。卵が孵化することでモンスター1体が仲間となる。
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これは『ログ』から引っ張り出してきたものだ。
『インフォメーション』からゲーム内の『ログ』の表示の有無というものが選べたので、チュートリアルのことを忘れないようにと、視界の隅に表示させている。
で、アイテムだが、『レアリティ』についてはそのまま希少度らしく、☆のあとの数字が高いほどレアリティが高いとのこと。
一番レアリティが高いものはわからないが、こんな序盤、というかゲームスタート段階で5っていうのは相当高いと思うのだが…
まあ、今回だけ特別ってことだろう。
あと、アイテムはどうやら1枠に99個、それが10枠あるようだ。
これもレベルの上昇に応じて増えていくとのことだ。
さて、次は『装備』だが、『装備』は現在所持か装備しているものが表示される。まだ始めたばかりだからか、装備はこんなものだった。
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装備一覧
E:旅人の上着 E:旅人のズボン E:旅人の靴
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初期装備なのだろう、なんとも安直な名前の装備だ。
というか、意外に装備できる場所って多いんだな。
たぶん首とかはネックレスで、手とかはブレスレットや指輪なんだろうな。
てっきり装備品はアイテム枠を潰すかと思ったが、装備品は各部位ごとにストックされているようで、アイテム欄を埋めなかったのはありがたい。
「あとは装備品の状態を見ることができるってことだけど…」
見る方法は、単純にその装備品を注視すれば見れるようになっていた。
目の前に出ている装備品の状況を見てみるとしよう。
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名称:旅人の上着
レアリティ:☆1
品質:G
耐久値:―
能力:防御力+1
説明:旅人の初期装備。壊れることはないが、着ていないよりはまし。
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名称:旅人のズボン
レアリティ:☆1
品質:G
耐久値:―
能力:防御力+1
説明:旅人の初期装備。壊れることはないが、着ていないよりはまし。
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名称:旅人の靴
レアリティ:☆1
品質:G
耐久値:―
能力:素早さ+1
説明:旅人の初期装備。壊れることはないが、着ていないよりはまし。
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やはり初期装備なだけあって、最低限のものになっているようだ。
ちなみに、これらの装備を外してもキャラクターにはインナーが装備されているので、素っ裸になることはないようだ。
って、今俺は素手だから微妙に拙い気がするが、気のせいだろうか…
あと、『品質』や『耐久値』ってのもあるが、『品質』はG~Aまであるようで、
あと、各装備品の能力部分で『防御力』やら『素早さ』やらと表示されているのは、このあとの『ステータス』のところに影響していた。
『ステータス』は文字通り、自分の現在の能力が記載されている。声に出すことで、それが目の前に表示されるので、試しに唱えてみる。
「『ステータス』」
目の前のウィンドウに、『ステータス』が表示される。
が、問題はここにあった。
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名前:ふぁる
種族:人間 職業:テイマー
種族レベル:1
職業レベル:1
状態:健康
満腹度:63%
HP:10
MP:6
攻撃力:2
防御力:2(+2)
体力:5
知力:3
素早さ:3(+1)
器用さ:3
運:2
スキル:テイムLv1
残りスキルポイント:5
称号:造形愛の塊
使役モンスター:1/1
現在の装備
武器
右手:なし
左手:なし
防具
頭:なし
体:旅人の上着
腕:なし
腰:旅人のズボン
脚:旅人の靴
アクセサリー
首:なし
右手:なし
左手:なし
右足:なし
左足:なし
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名前:【未設定】
種族:神族
種族レベル:1
状態:健康
HP:6
MP:100
攻撃力:2
防御力:2
体力:1
知力:80
素早さ:2
器用さ:2
運:2
スキル:神聖魔法Lv1 工作Lv1 芸術Lv1 状態異常無効 浮遊 神性
マスター:ふぁる
現在の装備
武器
右手:なし
左手:なし
防具
頭:なし
体:なし
腕:なし
腰:なし
脚:なし
アクセサリー
首:なし
右手:なし
左手:なし
右足:なし
左足:なし
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「あー…」
ちらりと、俺の目の前の女性を見る。
やはり彼女はこちらの視線に気づくとにこりと微笑むだけだ。
あんた、本物の女神だったかぁ…
※※※※※※※※※※
いや、『ステータス』で自分の能力が見れるんだろうなぁと思ったら、思いっきり目の前の女神の『ステータス』も出てきてビックリした。
俺のほうはLv1で始めたばかりのステータスだなぁって思う。が、彼女のほうは同じLv1なのに、すごい差がある。
特に『MP』の100や『知力』の80って、Lv1にしては盛りすぎではなかろうか?
『HP』や『攻撃力』が低いのはまあ、魔法とか使うタイプなのだろうからいいとして、その魔法もすごいことになってる気がするのだが。
「神聖魔法とかなんなんだこれ…」
『スキル』も同じように注視すると説明が出るようで、俺はまず自分の『スキル』である『テイム』を見てみたが、そのときの説明は、
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スキル名:テイム
Lv:1
説明:テイマーの基礎スキル。Lvが上昇することでアーツを習得。
習得アーツ:テイミング 使役(1/1)
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こんな感じだ。
職業がテイマーであるためだろう。基礎の『テイム』スキルであるが、そこに『アーツ』、『スキル』を習得していることで使える技だろうか、これのおかげでモンスターを仲間にしたり連れて行ったりできるようだ。
これはまだ納得できるスキルだ。
テイマーだから覚えてないといけないスキルだろうから、まだいい。
が、目の前の彼女のこれだ。
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スキル名:神聖魔法
Lv:1
説明:神族のみが使用できる魔法。Lvが上昇することでアーツを習得。
習得アーツ:ホーリー
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もうね、説明からアウトよ。
『神族』のみってことは、これプレイヤーは習得できないんじゃなかろうか。
たしか、『キャラクター作成』のところには『神族』なんて物騒な『種族』なかったからなぁ…
と、スキルに呆然としていたところ、服をちょいちょいと引く感覚が。
彼女が俺の服の裾を引っ張っているようで、俺が気づいてそちらを見ると、彼女は俺が見ている『ステータス』のある部分を指さした。
「ん、【未設定】?」
彼女の名前のところだ。
【未設定】ってことはつまり…
「えーっと、名前をつけるのか?」
「―――!」
正解だったのか、彼女は嬉しそうにコクコクと頷いた。
「名前かぁ…」
苦手なんだよなぁ…
しかも神に名前を付けるとか、変な名前を付けたら不敬とか言われないよな?
お読みいただきありがとうございました。
次の投稿は連続になりますが、3月21日22時を予定しています。
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