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第一訓:ザディストは程ほどに

これは、県立美都第二高校の生徒会の話である。


県立美都第二高校、通称、美都二校は、豊かな自然に恵まれている生徒数約1000人と、生徒数は、多く、進学校としても、上位に食い込むほどの実力がある。


なんと言っても、この美都二校の一番の魅力は、地元から人気が高い女子高であるということだ。







俺は、今、猛烈にテンションが上がっている。

それは、ようやく志望大学である大学にA判定が出たからだ。今喜ばなくて、いつ喜ぶ。という具合に今めちゃくちゃはっちゃけてはしゃぎまくっている訳である。

そして、俺はそんな喜びを生徒会の仲間たちと分かち合おうと、生徒会室の扉を開けた。

「グッイーブニーング!」

「うざい」


根も葉もない辛辣な言葉が帰ってきた。

「いやいや、そこは、ちゃんと挨拶しろよ、ほらっ、せーの、グッイーブニーングッ!」

「死ね」

もう泣きそうだよ。

お前のせいで、もうさっきの喜び消えたよ、もう真っ白に消えちまったよなにもかも。

「もうその調子で消え失せてください」


…………。


この辛辣な言葉を平気で言う、ザディストな女は、羽山 優羽。

冷めた感じのクールビューティーなのだが、生活の厳しさのせいで、もうただの悪魔にしか見えない。

小悪魔なんて可愛いもんじゃねえ、悪魔も悪魔、魔王クラスだ。



俺は、羽山で消失した、あのうきうき感を再びよみがえらせるために、生徒会のマスコットキャラクターこと、相川 舞 へと話しかけた。

「相川ぁ!グッイー」

「先輩ちょっと黙っててください」

最後まで言う前に、怒られた。

あれれぇ……相川ってふんわかとした雰囲気が人気の天然っ娘だったはずだよな……。

こんな心が死にそうなこという子じゃなかったよなぁ……。

聞き間違いか……だよな、聞き間違いだよな、それならもう一度……。

「相川!グッ」

「先輩死んでくださいよ、なんなんですか黙っててって言いましたよね?あれですか?先輩猿ですか?いや……猿が可哀想か……」

「おぃぃぃぃぃ!お前らみんなザディストか!?なんなのこれ、SMクラブ!?」



「まぁまぁおちついて」

俺が怒鳴り終えると、副委員長の柴原 莉奈が馬をあやすように優しく背中をさすってきた。

「って、誰が馬じゃボケェェェェ!」

「なに言ってるか、さっぱりだよ!」

如何如何、あまりにも頭に血が上っていたせいか、自分に対して怒ってしまった。

しかも、なんか柴原が可哀想な人を見るようにこっちを見ている……。



ろくな活動なんてしないで、集まっては、先輩である俺を弄る。

これが、俺たち生徒会の1日である。



ちなみに、俺こと、木原 香助は、男である。

何故、男である、俺が女子高なんかで生徒会をやっているかは、次回話そうと思う。

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