表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お狐様が異世界を征服するそうです@わひっ!?  作者: 大南
1章 「幼少期は幼馴染フラグを作る重要な時期」
19/20

19 「キツネ、TOTO」

 

 最近、妹の視線が冷たい。

 

 こいつもしかして、まだ自力で変身できないんじゃね。うっそー、まじー、ありえないんですけどー。

 

 って、思われている気がする。


 いや、実際に上手く変身できないんだけどさ。

 

 妹にさげすまれるとか……ご褒美です。

 

 なんて思えるか! ダメだ、死のう。

 

 うう、お兄ちゃんの威厳を回復せねば。

 

 そ、そうだ!

 

 勉強系だ! 僕は転生者なのだ。あんまりというか、まったく過去のことは思い出せないけれど、僕には義務教育程度の知識が備わっているのだ……備わってるよね?

 

 身体はコギツネ、頭脳は大人。その名も!(以下自粛)


 すっごぉ~い! お兄ちゃんって何でも知ってるんだね! 


 題して、転生お兄ちゃんチートでおおすごい作戦だ!

 

 ふはははは、完璧すぎる!


 TOTO作戦の完璧さに我ながら身震いするぜ!


 よし、作戦を実行すべく僕はお母さんへ意気揚々とテレパシる。


「お母さん、文字を教えてくれる?」


 まずは文字をあっさりと覚えてやるぜ!


 僕は前世で日本語と英語とドイツ語はすでに覚えているのだ。ここがどこかは知らないが、英語圏のどこかであれば、勉強の必要すらない。ドヤリまくりだ!


 例え中東やアフリカあたりの知らない文字であっても、文字を覚えるのは僕の方に大きなアドヴァンテージがある。


 文字の規則性を理解しうる知性。子供にはつまらないだろう、反復練習も僕には無問題。


 そしてお母さんの共鳴(シンパシー)という補助ブーストさえある。


 勝ったな。


 TOTO作戦が失敗する可能性はゼロだ。


 ってあれ、お母さん。どうしたの?

 

 なんで、そんな全力で顔を逸らすの?

 

 ん、お母さんの独り言(テレパシー)が聞こえてくる。


「なぜ、私はリロイから文字を習わなかったんだ。散々ロザリアに脳筋呼ばわりされていたのに。ふっ、子供に文字も教えられない母親など、母親失格ではないか。ああ、神獣と称えられる天弧族でありながら私は……もはや死ぬしか道は……」


 ……おい、やべーよ! お母さんにクリティカルヒットしてるよ!

 

 うちのお母さん、文字の読み書きできなかったのか。それは想定外だ。

 

 いや、そういえば、僕たち狐だったね。狐の識字率って普通に考えるとゼロだもんね。


 だから、お母さん。その刀仕舞おうね。

 

 ほんと、大丈夫だから。

 

 文字なんて知らなくても生きていけるからね。


 僕は一生懸命お母さんを慰める。そんな僕に、


「お兄ちゃんがお母さんを泣かせたぁ。お兄ちゃん最低だよぉ」


 妹のクリティカルヒットが僕に直撃した。


 お母さんの隣で僕も刀を抜いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ