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お狐様が異世界を征服するそうです@わひっ!?  作者: 大南
1章 「幼少期は幼馴染フラグを作る重要な時期」
12/20

12 「キツネ、最終形態!」

 

 なんということでしょう。


 お昼寝から目覚めて、ボケーとしていたら、ポンっという音とともに僕は煙に包まれてしまった。


 何事だ!? と慌てるも何も起きない。


 び、ビビらせやがって、と右手で冷や汗を拭う。


 あれ? 僕の手が人間の手になってるんだけど。 


 小さな手をまじまじ見た後、恐る恐るその手で顔の表面をなぞるように触る。


 うん、たぶん人間の顔だ。


 頭にモフモフ。耳だろうか。


 お尻はと首をひねってみれば、やはり金色の尻尾がぶらりと。


 お母さんの人間形態と同じ奴だ。どうやら僕もちゃんとした化け狐であったようだね。


 うむ、と意味もなく一つ頷く。


 てか、あれ、今の僕、素っ裸なんだけど。自前毛皮ライフに慣れ過ぎて、スース―して寒い。そして、チンコが心もとない。


 妹とお母さんが隣でスヤスヤ寝ているのを確認し一安心。きょどりながら周囲を索敵。サリーとヒヨコもいない。


 ホッと一息。


 しかしヤバいのでは? このままでは露出狂の汚名を被ることになってしまう。どうにかせねば。

 

 元に戻れ~、と念じてみる。変化なし。


 だよね。いや、何事も集中だ。為せば成る。


 ふん!


 あれ、今元に戻れそうな感じがしたぞ。


 もっと気合を入れればいけるかも。


 ふんっっ!!


 おお、なんとなく戻れそうだった。


 もっとだぁ!!


 僕は仁王立ちになり、両の手を高々と突き上げ、世界のエネルギ-をちょっとづつ分けてもらう気持ちでもって心の底から叫ぶ。もちろん、尻尾は腰に巻き付けてね。


 うおりゃあぁああぁああぁあぁあ!! みんなぁ、おらに力をぉおおおおおおおおお!!!


 ……変化なし。うん、戻れないね。

  

 ぜぇはぁ、と息を切らしながら僕は再チャレンジしようとして、そこで気が付く。


 妹とお母さんの視線に。


「お兄ちゃんが人になっておかしくなっちゃったぁ」

「どこで子育てを間違えたのかしら」


 泣きそうな妹と心配そうなお母さん。


 くっ、殺してくれぇ! こんな黒歴史を抱えて僕は生きていけない!


「ふふ、とっても可愛かったですよ」


 サリーがどこからともなく現れ、ニコニコ笑顔で追い打ちを掛けてくる。


 なぜ、世界はこんなに残酷なんだ。僕は頽れるように床へ両手をつく。


 てか、何気にお母さんヒドクね?


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