こうして8日目。いやまだ7日目は終わってないぞ
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
いつもの静かすぎるほどの夜に地響きと怒声が鳴り響いた。
いったいなんだよ!?アインは大丈夫か!?
ほぼ同時に起きたと思われるアインと目が合った。
二人で外を見ると、集落の男連中が集団でこっちに走ってきていた。
「ひっ」
あまりの迫力にアインが一歩下がる。
俺も腰が抜けそうになったが、耐えた。腕輪があるから俺は大丈夫だが、アインはそうではないのだ。
「いったい何の用だあああああ!」
家から急いで出る。その勢いで俺に注目させるため叫んだ。
「「「「「ああああああん!?」」」」」
だがそのせいで、一番先頭を走っていたおっさんがその勢いのまま俺に棍棒を振り下ろした。
あ、俺死んだ
だが、棍棒は掠めるくらいギリギリの位置に振り下ろされた。
もうなんか色々と混乱しすぎて言葉を発することもできずに立ち尽くしてしまった。
あ、さっき死んだと思ったけど、腕輪があるから大丈夫か。
「ほー、ワザと外したとは言え、全く動かないとは。人族のくせに肝が据わってるじゃねぇか」
動かなかったんじゃない、動けなかったんだ!
「ああ、まぁな」
とりあえず勘違いしてくれたから余裕そうな顔で虚勢を張っておこう
「まぁいい。お前、アインと一緒にいたやつだな。お前これが何か知ってるよな?」
そう言って見せたものは芋のかけらだった。
「ん?それは俺とアインが作って子供にあげたやつだ。親にあげるって言ってたから貰ったんだろ?」
「ああ、そうだ。そう聞いてる。・・・勝手なことしてんじゃねぇぞ!」
そう言って投げつけられた芋のかけらが俺の足元でぐちゃぐちゃになった
「おいっ!やめろよ!食べ物を粗末にするなって」
大量に作れる物とは言え、食べ物を粗末にすることは俺が許さん
「うるせぇ!人族と出来損ないのアインに作ったものなんて食わせやがって!」
「そんなの言いがかり・・・ん?食ったのか?ああ、だからかけらだったんだな」
さっき投げつけられた芋は半分くらいだった気がする。半分は食べたんだよな
「・・・うるせぇ!こんなの食ったらお前らみたいに弱くなっちまうだろ!」
周りのおっさんから「あれ?お前食ったのか?」みたいな顔で見られるが、誤魔化すおっさん
だがほとんどのおっさんは「あ、俺も食ってるわ」みたいな表情で視線を彷徨わせていたのはよく見えていた。
「てめぇもだが、人族を勝手に迎え入れた上に、変なもの食わせやがったアインに用があるんだよ。アイン出てこい!」
「待て、待ってくれ!俺だ。あれは全部俺がやったんだ。アインは関係ねぇ!」
あまりよく思われていないアインがさらに不利になるようなことになったらアインがやばい。
俺だけだったら最悪ここから出ていけばいい。何が悪いのかよく分からんけど俺の責任にしておかなければ
「違います!僕が全部やったんです!」
ってアインんんんん!今出てくるなよ!
「ほう、いい度胸だ。出来損ないとは言え、お前も獣人だったんだな。てめぇには話がある!」
おっさん集団の視線がアインに向く。やめろ!誰か止めてくれ!!
話ってあれだろ?昔のあったらしい校舎の裏に連れてってやつだろ!?あいつらに攻撃されたらアインが死んじまう
ヤバいと思ったが、俺には止める手段は無いことに気づいた。
今俺に出来ることは・・・こいつらに飛び掛かって時間を稼ぐことくらいしか出来ない
「何をしてんだ!てめぇら!」
今まさに目の前のおっさんに飛び掛かろうとしたら、おっさんにしては少し甲高い声が響いた。
今にもアインを掴みかかりそうになっていたおっさんどもが全員止まる。
助かった、のか?どこかで聞いたその声のほうを見ると、初日に見たデカ女、ミーシャが立っていた