そうして1週間。後はぎゃふんと言わせるだけだ
耕したり収穫してみたりと色々と試している間に、この世界に来てから一週間経過した。
その間に分かったことがいくつかある
1つ目に、4日前後で急成長が止まることだ。成長(極)の効果が4日程度なのだろう
4日目に収穫した芋は一つの苗につき5個前後で食べごろな大きさで蒸かせばとても甘い
2つ目に、収穫した場所の土では成長の効果は発揮しない。多分環境耐性もだろう
多分耕した土地ではなく、収穫した土地とみなされるのだろう。収穫後に耕しなおした土地は問題なかった
新しく開墾するより収穫した場所を耕しなおしたほうが土も柔らかく効率が良い
そのため畑はあまり広がらなかったが、すでに400個以上の芋が家の隣に積み上げられている
1日200個以上収穫できてしまうのだ。
腹いっぱい食い続けてきたが、二人で食ってたところで消費が追いつくわけがない。
ミーシャとか言うデカ女は数日に1度来て何か色々と置いていくとアインは言っていたが、
初めて来たときと同じようにわざわざゴミを捨てに来ているのだろう。性格の悪いやつめ
来たら目の前で美味そうに食ってやるつもりで準備していたが、あれから一度も来ていない。
朝起きて耕して、苗植えて、サツマイモ食う生活を1週間続けたら流石に飽きてきた。
そういえば俺は冒険者とかになって常勝無敗の旅をする予定だったのだ。
ここでスローライフをしている場合じゃない。そろそろ冒険者になるために旅立つか?
いや、ここまできたのだからその前にデカ女にぎゃふんと言わせたい、しかしどうすれば?
「ウィンさん、このサツマイモなんですが」
「ん?おお、どうしたんだ?」
考え事をしているとアインが声をかけてきた。
「出来ればミーシャのところに持って行ってあげたいんですが、いいですか?」
なんで持ってくんだ?・・・そうか!デカ女が来ないのなら行けばいいのか!
単純なことだったな。しかしそんな提案をするほどアインも見返したいと思っていたんだな。
「その案採用だ!よし、準備するぞ」
「そ、その案?いえ、ありがとうございます。これでみんなも救われます。」
みんなも救われる?まさかあのデカ女は見た目通り村一番で力も強いって言ってたが・・・
まさかアインだけじゃなく村全体をいじめていた?少ない食料を独り占めしているのか?
「なんて女だ。アインは準備しながらデカ女に見下しながら芋を渡すポーズを考えろ」
今まで暖をとるための火で焼き芋を作っていたが、大量の焼き芋を作るのに燃料が足りない
だから蒸かし芋を作成するために「電気がいらず」の電気蒸し器を創造する。
2~3個くらいしか入らないので30台もだ。それを二人で一つ一つせっせと稼働させた
昼前には150個ほどの蒸かし芋を作り終えたので、これまた創造したリアカーに積んでいった。
しかし食料を独り占めしてるとしたらお腹減ってないだろうし、見返すことができるだろうか?
まぁその時はその時だ。悪いようにはならないだろう。
「いざ行かん!」
リアカーはアインに持たせた。俺は手ぶらだ
「はい!」
甘くて美味しそうな匂いを漂わせたアインから元気な返事が返ってきた。
やはりデカ女に仕返しをしたくてしょうがなかったんだろう。今日全ての怒りをぶつけてやろうぜ!