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異世界2日目。スローライフ始めました。

異世界生活2日目の朝、良い匂いにつられて起きるとアインが何かを火をかけて作っていた。


「おはようございます。せっかくなので昨日のチキンバードを処理しておいたので食べましょう」


チキンバードを食べる?アインは食料を持っていなかったはずでは?と思い火にかけている何かを見た


「お、おお。昨日あのデカ女が捨ててった奴か。ああ、あいつ不器用そうだし食えることを知らなかったのか」


デカ女は脳まで筋肉でできてそうだし、食べれるってことが分からなかったのか


「ミーシャはこうやってこっそり僕に食料を分けてくれるんです。自分もそんなに余裕が無いはずなのに」


どんなところでも生き残るためには頭がいいことが重要なんだな。って考え事をしてたらアインが何か言ってることに気づいた


「ん?すまん、聞いてなかった。アイン、何か言ったか?」


「あ、いえ、その。たいしたことではないです。」


「そうか」


何か言いたそうだったが、言い出しにくそうにもしてたし無理に聞く必要もないか





チキンバードは調味料とかほとんど無いようで、なんというか素材の味だった


食べ終わったものはアインが片付けてくれることになった。

今のうちにさっさとデカ女見返し計画の準備をしよう


(いかなる環境にも耐え、成長速度は非常に早く、人工的に耕した土地でしか育たない安納芋を創造する)

サツマイモの中で俺が一番好きな安納芋が手のひらに現れた。

------------------------

安納芋

・環境耐性(極)

・成長(極)

・成長限定(人工農耕)

------------------------

どれも性能は一応見ておくか

<詳細>

・環境耐性(極):全生物が死滅するような過酷な環境にも問題ない程度の耐性

・成長(極):成長を超高速するが、ピークを過ぎると通常の速度になる

・性能限定(人工農耕):付与されたスキルは人工的に耕した土地でしか効果がない。


成長は確かに人間が一気に60歳とかになったら成長って感じでもないしな。

20歳くらいまで一瞬で成長して、そこからゆるやかに、みたいな感じなのかな

性能限定は成長しすぎて世界が芋に侵略される可能性に対する保険だ

大体想像していたものを創造できたとは思う。


ついでに耕すための普通のクワを2本創造したところで、アインが片付けから戻ってきた


「ウィンさん、それなんですか?」


「ああ、これはあのデカ女を見返すために用意したものだ。で、ここらへんで自由に使っていい土地はあるか?」


「で、デカ女。そ、そういうのは良くないですよ。えっと、この荒野ならどこでも大丈夫ですよ。僕以外使っていませんし」


土地の所有権とかそういったのはないようだ。


「よし、じゃあまずは裏手の荒野を耕すぞ。このクワをアインにやるから」


「耕す?この土地にまともに育つ植物はないと思いますが」


戸惑うアインにクワを押し付け、創造した安納芋を見せる。


「こいつなら育つんだよ。だまされたと思って数日俺に付き合ってくれ。その間は飯は俺が出してやるから」




まずはアインを連れて家の裏手の荒野をクワで耕してみせた。結構簡単にクワが通る。

耕しやすい上に、シャワーで水を撒いてみたが水たまりができる気配がない。水捌けも良い。

環境耐性(極)がついていなくても季節次第ではサツマイモを育てるのに悪くなさそうだ


約1平方メートルの土を耕して、ひとまず創造した芋を埋めた。

植え付け用の苗を繁殖させるためだ。


「よし、こんな感じでどんどん耕していくぞ」


「は、はい」


アインはとりあえず俺の見様見真似で荒野を耕しているが、なかなか筋が良い。気がする

俺もクワなんて学校かなんかで触ったくらいで、使ったのは今日が初めてだから気がするだけだ


どうにか10平方メートルくらい耕せたくらいに昼食を食べることにした。

獣人は基本的に朝と夜しか食べないらしく、アインは休むことなく耕す勢いだったが無理やり休ませることにした。

休憩なしで2時間くらい耕し続けたのだ。俺は腕輪のおかげで体力は全回復だが、アインはそうではない。

昼食は干し芋を食べた。飽きてしまうと思うが仕方ない。今後のことを考えると慣れてもらう必要があるのだ。


「ところでウィンさん」


「どうした?」


「あれ、なんですか?」


「ツルだ。今食べてるサツマイモの茎の部分だ。」


「ええと、そうだとは思っていましたが・・・・早すぎませんか?」


「・・・そうだな」


安納芋を埋めてから2時間程度しか経過していないが、植えた場所からもっさりとツルが生えていたのだ。

成長(極)が怖すぎる。本当に繁殖場所の制限かけておいて良かった。

制限がなければ芋に世界征服される未来が来ていたであろう。


成長速度に驚愕したことは置いておこう。食後は耕した場所にシャワーで水をまき、ツルを適当に植え付けていった。

耕した場所に全て植えるころには日が落ちていた。で、夜はやることがないのでさっさと家に帰った。

夕食はデカ女の置いて行った鳥と昨日残った干し芋だ。俺はすでに飽き始めていたが、食べれるだけで幸せだとアインは言っていた。


アインは食事が終わるとすぐに寝た。結構疲れていたし、仕方ないだろう。

俺も疲れていないが、やることがないので結局すぐに寝た。

適当に耕して適当に食って適当に寝る。これがいわゆるスローライフか。悪くはない。

常勝伝説を作りまくったらこういう生活をしてみるのもありかもしれないな


異世界生活の2日目は勝負とは無関係の、まるでスローライフが始まりそうな空気とともに始まり、そして終わった

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