100万回負けた男
シナリオが頭に浮かんだけれども全然執筆が進まない自分を追い詰めるために投稿始めました。
初投稿かつ書き溜めはほとんどないので、気長にお待ちいただけると幸いです。
勝梨恒人は16歳の男子高校生である
勝梨の外見は整っているため良いと言われる部類であり、
頭の良さは全ての教科で学年で10位以上は取れる程度には頭もよく
運動能力も下手な運動部よりもスペックは高い
高スペックなのだから人生も順風満帆なのだろう・・・
と思われるかもしれないが、そんな彼には致命的な弱点があるのだ
性格が悪い・・・わけではない。少しだけ思い込みが強いものの、基本的には優しい性格で友人も多い。
ただし勝負事が絡まなければ、である。その勝負事に関して性格が悪くなる・・・ということでもない
その致命的な弱点とは『勝負に勝つことができない』ことであった。
例えばテニス。勝てそうな試合運びになると、
どれだけ晴れていようとも豪雨となり中止となる
例えばサッカー。放ったシュートは誰もが入ったと確信した瞬間
偶然カラスに当たり弾道が逸れ、ポストの外へと軌道を変える
例えばオセロ。圧倒的有利な状況で勝ちを確信した瞬間
ボールが、動物が、地震が勝負を無効にしていく
自身の特異体質に気づいた勝梨だったが、
それでも腐ることなく普通の学生でいれたことは良い家族、友人に恵まれていたからだろう
そんな勝梨は帰宅途中に今日の勝負を思い返していた
「あー、今日も勝てなかったなぁ」
数撃ちゃ当たると思い、暇さえあれば100回連続じゃんけんを友人と試しているが今日も全敗だった
基本的にポジティブな勝梨にも自分の体質に憤りを感じる日はたまにはある
だが、それがよくなかった。自分の特異体質の強制力を甘く見すぎていた。
だから彼は言ってしまった。家の玄関にドアノブに手をかけて、一言呟いてしまった。
「俺が家に帰れたら、俺の勝ちだ」
それが勝梨にとってこの世界での最後の勝負となった