11.新しい風
熱気を感じ、ペッサムは今までにないくらい緊張していた。
豪華な服がやけに重く感じる。
ふと、懐かしい風を感じたような気がした。
「あぁ。本当に『新しい風』ってあったんだ。『新しい風』がふいたんだ」
ペッサムのつぶやきを、エクメアファッシアータ姫は聞きとめた。
「『新しい風』……古代語の『ゼイラス』は『二つ以上の』って意味でしょう。『一つじゃない』から『短い間ではない』『一人じゃない』となるの。つまり『新しい風』とは、『一人ではなく二人以上の人が時間をかけて状況を変えること』なのよ。『前後に困難がある』という意味もあるから、一般的には『困難を好転させる風』として使われているのだけどね」
ペッサムは緊張した顔を少しやわらげた。
「じゃあ、『新しい風』はふくものじゃなくて、起こすものだったんだ」
「そうよ。あなたも起こしたでしょう」
姫は美しい顔をさらに輝かして微笑んだ。憂いのない今までの中でも最高の笑顔だった。
「では、シア……」
ペッサムの腕に姫は腕をからめる。
しきい布の外からはすごい歓声が聞こえてきていた。
「新しいアフェランドラ王、ばんざーい!」
「御結婚、ばんざーい!」
「王様、ばんざーい!」
「エクメアファッシアータ妃、ばんざーい!」
二人はしきい布をくぐり、光の中、大歓声を受けた。
ありがとうございました。
姫と結婚するペッサムに王様教育を詰めこむことになったので、結婚式をあげるまでしばらく月日が経っています。おかげでカルノーサ王は無事にシャラの木を結婚式に贈ることができます。




