#08 ベールを脱いだ少女
なんでや!阪神関係ないやろ!
「おのれ防衛省ォォォォォォォォ!」
一碁にお前は鳴滝か!と突っ込まれつつ俺は防衛省を呪う。
隣にはP90(SV対応ではない)の銃口を向ける湯上。
「それが自衛官の言う台詞か。言うならおのれディケイドォォォォォォォォ!にしろ」
「著作権チキンレースェ…」
呆れ気味の一碁。すると、後ろでSVについて語っていた楓と輝美の目の前に一人の少女と取り巻きAとBが出てくる。ジャイアンとスネ夫か。
「貴方が、鬼神の幼なじみね?」
一人の少女は楓に問う。楓は戸惑いつつも、
「ええ。そうだけど?」
と答える。すると少女は汚物を見る様な目で楓を見ると、
「そう。なら鬼神に触れている貴方も私に近づかない事ね。いい?」
と言い放った。瞬間、俺の角が黒い煉獄の焔を纏い、少女を衝撃波で吹き飛ばした。
「くはぁっ…このぉ鬼神……!」
憎しみの目を向け、SVを展開させようとする少女。俺が再び衝撃波_今度は威力の調節は無しのを放とうとすると、湯上と輝美が止める。
「藍川、蕪城。落ち着け。落ち着かないのなら、撃つ」
冷たくそう言った湯上はパスの視線を輝美に送り、輝美は無言で頷く。
「日本SV代表候補生藍川 桜。日本SV代表 坂井 輝美は貴方の差別的発言及び行動に対する罰として、SV試合を与えます。敗北の場合は貴方の代表候補生資格剥奪及び少年院へと更迭よ」
先程ののほほーんとした感じの不思議少女では無く、日本代表としての輝美の凛としたオーラに藍川 桜と言う少女は気圧され、頷いてしまった。すると輝美は再びほのほほーん少女に戻り、
「3時に第五アリーナね~」
と言って何処かに行ってしまった。俺を始めとする七人は呆気に取られ、授業開始のチャイムと共に席についた。何故か輝美だけ居なかったが…
◇ ◇ ◇
「つーかよ、ハーフだから差別されるのどうかと思うのよ」
「本当よ!乾巧だってオルフェ○クの癖にフ○イズとして受け入れられていたのに!」
「33-4だからって責めなくてもいいだろ!」
「なんでや!阪神関係ないやろ、一碁!」
「賑やかだね~あはは」
昼休み、いつの間にか戻ってきた輝美と一緒に湯上、楓、俺、一碁の五人で昼食を摂っていたのだが、会話の中はカオスな事になっていた。33-4。
「にしても、輝美ちゃん大丈夫?」
楓が心配そうな顔で輝美に聞くが、輝美は不敵な…いや不気味ともとれる笑みを浮かべ、また何処かに行ってしまった…
ー試合開始まであと2時間ー