#07 湯上
「あぁ~入学式疲れたぁぁぁ!」
湯上陸上自衛隊一等陸尉(対未確認生物部隊に所属しているので俺の上司)から世界の裏で暗躍している"ロード"と言う怪物について教えられてから3日後。俺は対未確認生物部隊に配属され、SV学園にも今日、入学した。クラスは1-C。
俺が席で溶けていると、隣の席ののほほーん少女さんが話し掛けてくる。
「君、鬼さんなのにSVを動かせた蕪城 龍君でしょ?私は来栖 輝美。日本のSV代表だよ。てるてるとかてるてるぼうずとかどれでもいいよ~」
鬼さんと俺の事を呼んだ少女、来栖 輝美は俺の頭の角をつんつんとしてくる。
「わぁ、温かいね~」
俺の角をつんつんして満足したのか輝美は、国民的アニメ『ドザエもん』のテーマを歌いながら後ろの席の楓に話しかける。
一応、ドザエもんについて解説しておこう。1963年から放送されているアニメで、未来から来たサザエ方ロボット『ドザエもん』がダメダメな主人公 磯野 ビー太の未来を変えようとするコメディアニメである。登場人物はドザエもんと磯野 ビー太の他に顔がアンパンのアンポンタンが出てくる。チキンレースである。(著作権的に)
…と、閑話休題は此処までにして、楓の隣の席の奴について解説しておこう。
名前は坂井 一碁。このゲームの本来の主人公である。専用機はフタバ社の近接系SV『暁』である。尚、一碁は中学生になるまでは俺と楓とよくつるんでいた…らしい。設定だからね仕方無いね。
「なぁ龍、楓。お前らなんか進展したか?」
…言い忘れていたが、デリカシー0である。と言うか-100ぐらいデリカシーが無い。
俺は角から雷撃を、楓は『楓魔』の腕のみを展開し一碁を殴る。
すると、ざわついていたクラスに、一人の男性教師が入ってきた。そして、彼は、俺が最も会いたくない奴ランキングトップ10堂々一位の男だった。
「今日から君達の先生になる湯上 総一郎です」
湯上だった。