#02 煌焔
_六凪 楓。数多くのヒロインが登場するゲームでメインヒロインであるキャラクター。主人公の家によく泊まっていくその姿は押し掛け女房…つまり、俺の前には押し掛け女房が居ると言う訳だ。
「で、その荷物は何ですか?」
俺は楓に聞く。楓は大和撫子と言う感じの和風ヒロインである。もちのろん俺の好みに合わせた様な美少女である。オオ、カミサマコワイコワイ。
「ほ、ほら龍の両親は今忙しいだろ?だから私が料理をと思って…」
何こいつ女神か。料理作れる美少女ヒロインとか完璧過ぎでしょ。これで異世界生活はキラメク未来に溢れますね。やったぜ。
ー夜ー
「あー…この『空間圧縮加速』って良いな。あとこの『煌』って短刀も…」
俺は今、神様が作ってくれる俺のSVの設計図を作ってる最中だ。名前は決めてある。
「それ…SVの設計図か?龍は鬼神のはずじゃ…?」
「え?良いじゃん。俺のSV作ったって」
「そうだが…な?」
そう問い掛ける楓を他所にして俺のSV、『煌焔』の設計図が完成した。名前の由来は煌めく焔、英語で言うとプロミネンスだ。他には『煌鬼、』『煌来』と『煌神』と言うSVも設計図を作った。いいんじゃん。多くても。煌来の由来は煌めく未来、べ、別にギンガとかじゃないんだからね!煌神の由来はそのまま。煌鬼は当て字。
「どれどれ…って、こんな多く武器積めるのか!?それにオリジナル武器も多い…作れるのか?」
ええ。作れますよ。神様ならね。
それと…
「胸が当たってらっしゃいますけども!?」
割とデカかった。と思った瞬間、頭に鈍い衝撃が走った。
「ぐほっ!」
頭の上を見てみるとジュウジュウと音のしているフライパンが楓の手に握られていた。人間だったら即死だよ即死。つくづく自分のデリカシーの無さに驚く。
「取り敢えず、料理を作ったぞ」
「え?本当に作ったの!?」
「い、いいから座れ!そして食え!」
何故命令系…?兎に角、腹が減っていたのでナイスタイミングだ。
晩飯は楓さん作のベーコンと玉葱のピラフとコーンスープだった。
なんかもう涙が出る位旨かった。
その後、俺は鬼神の能力を調べる為道場に、楓は風呂に入りに行った。
◇ ◇ ◇
「あー疲れた!…ってそう言えばシャンプーの詰め替え用が洗面所にあったような……あいつ困りそうだし持っててやるか」
俺は馬鹿デカイ屋敷を移動するのは面倒なので鬼神の能力の瞬間移動をして洗面所兼脱衣場に移動した。
…が、瞬間移動は脱衣場に行く時にするものでは無い。
「りゅ、龍!?」
「・・・」
目の前に居たのは既に詰め替えを終えて、風呂に戻ろうとしていた全裸の幼なじみだった。瞬間移動しなくてはと言うのは頭で分かっていても中々動けない。シャワーを浴びていたのか、水滴が宝石の様に白く美しい肌に付いており、その美麗な体のラインと胸と改まって、龍の体を硬直させていた。
その後、俺がどうなったかは皆さんのご想像にお任せします…
◇ ◇ ◇
「ふぁぁ…頭のたん瘤がくそ痛てぇ……」
頭を押さえて俺は起き上がる。横の布団には楓が寝息を立ててスヤスヤと眠っている。あの野郎、あんな殴りやがって。すると俺は庭にある物が置かれているのに気づく。
「来た…!俺のSV、『煌鬼』『煌来』『煌神』…『煌焔』!」
輝く金色と紅い細いラインの人型機動兵器、『サーヴァント』。その中でも、現在開発されている第四世代機より五世代上の第九世代機相当の四機は、近接戦闘型、遠距離戦闘型、攻撃特化型、バランス型の四種類に分かれており、どんな敵にも対応出来る様に設計してある。あと10機ぐらい設計図あるぞ?
そして、四機に『待機』と命令すると、四つのクリスタルのハマったブレスレットが俺の腕に現れた。
と言う訳で俺は晴れてSVを手に入れた。