表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錻の心臓  作者: 半半人
日下部春花の鉄拳
12/12

失態

私は近くの少年の、ペンケースに百万円を押し込もうとした。だが、シャーペンや消しゴムのスペースが邪魔になったため、更に近くにあるバックに適当に放り込んだ。


バレてもいい。ただ、今だけはこれでなんとかなって!!



すぐに洸輝の元に戻ると、三倉と一緒にいた。


「あ。あの人です」

「ご協力感謝いたします」


あの野郎。確かに迷惑をかけたくはないがそんな簡単に、同業者を警察に売るかぁ!?


「久しぶり、ですかね?」

「…ええ。半年ぶりですね」

「いやいや。今日はついでですよ。ついで」

「私は本命じゃないと?」

「申し訳ない。前から目を付けていた、大峰了がここに来たと聞きまして」


あのデブの本名!!


もしかして、洸輝の仕業か!?


「おっと、怖い怖い。特に用事はないので帰りますよーっと」


食えないジジイだが、今回は助かったぁ…。って、誰が怖いだって!?


三倉の背を睨み付け、洸輝に歩み寄った。


「おい、てめぇ。殺すぞ」


襟に手を掛け、思い切り眉間に皺を寄せた。返答次第では殺す。


「ご、ごめんなさぁぃ…」

「なんであんなすんなり受け答えすんのよ!」

「いや、大峰さんがこっちを売ろうとしたから、その制裁で呼んだ人がたまたま、ってだけだよ」

「こっちは別の件で焦ってんのに…どうすんだよ?」

「もしかして、百万円のこと?」


は?


「いやぁ、あれさ。他の同業者が作った超そっくりな偽物なんだよ。人間には全く分からないけど、機械に通せば一発アウトって代物で…」


は?


「ドッキリ大成功ってことで返してもらうね」


…はぁ!?


「待て待て待て待て。つまり、あの百万円は偽札?てか、どこからがドッキリ??」


「三倉がここに来たのは予想外だけど、百万円をバックに仕掛けたところだけドッキリ」


あぁ!!少年は!?


時すでに遅し、閉館の数分前ということでほとんどの人が図書館を後にしていた。


私は何てことを…。


悪人に危ない薬を売るのはなんとも思わなかったが、無実の少年にとんでもない重荷を背負わせてしまった…。


「あれ?百万円は??」



わざとバックを忘れ、わざと偽ゴキブリを入れ、わざと百万円も入れて…。


殺す!



振り返り様に、洸輝の鼻っ柱を私の右ストレートでへし折ってやった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ