表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

第一話 おとぎ話の終焉

初めまして、初投稿作品です。拙い点もあるかと思いますがよろしくお願いいたします。

 目を開くとそこは真っ白な空間だった。

「ここに来るのも随分久しぶりだな」

 前回来たのは、魔神討伐の前だった。その時と同じように周囲を見渡していると、

「お久しぶりですね、アルカさん」

 いつの間にいたのかそう声を掛けてきたのは、輝かんばかりの金髪を腰まで伸ばした美女だった。

「ミウ!」

 この美女こそが世界フィファートの創造神ミウーレだ。いつ見ても本当に美しい。

「この度は本当にありがとうございました。」

「礼はいいよ。最初からの約束だしな。」

「ふふ、本当にお変わりありませんね。」

「そんなことより、フィファートはあれでもう大丈夫だよな?」

 なにか気恥ずかしくなって話題を変える。

「ええ、もう大丈夫です。魔神は打ち倒していただきましたし、その後の20年で戦いの爪痕も目途がつくまでにしていただきましたし。」

 世界と共に混沌へと還ることを望んだ魔神。俺はその魔神が起こした魔神戦争で魔神を打ち倒し、滅ぼされた地域の回復や戦後処理を20年かけて行っていた。

「そうか、それは良かった。」

 俺は心の底から本当に安堵した。

「で、俺がここにいるって事は…」

「はい。アルカさん貴方はお亡くなりになりました。」

 ミウは少し俯いて悲しそうに語った。

「そうか」

 やっぱりそうだったか。俺は目を開く前に見た最後の景色を思い出して納得した。

 そもそも、魔神戦争時のダメージやその後の魔神の爪痕の処理を考えると、戦後20年活動出来たのが奇跡に近いだろう。なので俺は努めて明るく話す事にした。

「そんなに悲しい顔するなよ、約束通り転生させてくれるんだろ。」

 そう、俺は魔神が世界の半分を制圧した時に創造神から、勇者となって魔神を打倒してくれないかと頼まれた。魔神は世界全てを混沌へと還すつもりで逃げ道はなかったので、俺は報酬を幾つか決めるとそれを受け入れた。その一つが死後に記憶を残したままでの転生だ。

「それはもちろんです。私の頼みは魔神の打倒だけでしたのに、その後の世界の再生にまで20年も御協力いただいたのですから。」

 それはまあ、頼みを受けてから実際に魔神を倒すまでに時間が掛かったせいで、最終的には世界の7割が制圧下におかれ滅ぼされてしまったからだ。魔神は打ち倒したとはいえ、そのままでは世界自体が崩壊しかねなかった。

「それなら良いよ。だから笑顔で送ってくれよ。」

「わかりました。」

 そう言うとミウは美しい微笑みを向けてくれた。

「ところでその転生についてなのですが」

 ん?なにか問題があるのだろうか?

「普通なら転生を行う魂は、一度アートマという魂の休息所で魂を癒してから転生するのです。」

 なるほど。要するに天国みたいなところで疲れを取ってから現世に転生すると。

「その癒しにかかる時間なんですが、存在力ありていに言って魂が大きければ大きい程長期間かかるのです。」

 嫌な予感がするな。

「アルカさんは、魔神を打倒するという偉大な功績をたて、その後世界の再生の為にあの処理を行われ、しかも記憶を所持したままの転生です。はっきりした事はわかりませんが相当な長期間が必要となるかと思います。」

 ミウが物凄く申し訳なさそうな顔でこっちを見ながら言ってきた。

「あ~、それはミウの力でどうにかは?」

 無理だろうなとは思いつつも確認してみると、

「すみません。私は創造神ですが、既に世界の摂理として存在しているものについては維持神の領分になりますので勝手に変更は…」

 やっぱりか。

「まあ、世界の摂理なら仕方ないですよ。転生さえきちんとしてくれるなら俺に異論はないな。」

「はい。それはもちろんきちんと努めさせていただきます。」

 そう言った後ミウが何か唱えると、アーチ状のゲートが現れた。

「では、今からアートマにご案内しますね。」

「よろしく頼みます。」

 そう応じると俺はミウと共にゲートをくぐってアートマへと向かった。


第一話いかがだったでしょうか?

頑張っていこうと思いますので、見守ってやってください。

感想や誤字指摘等も大歓迎ですので、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ