第二十三話
職員室に校長先生と共に緊張しながら入る。それとともに職員室が静まりかえり、先生達がこちらに注目する。
片桐校長先生が一歩前に出て話し始めた。
「先生方、今日は大事な話があります。住吉先生のクラスの男子生徒の双葉蒼さんが病気で入院していた事は以前お知らせしてあったのでわかると思いますが、先週無事に退院しました。明日より学校に復帰する事になります。入院中は学業どころの状態でなかったので休んでいた分、他の生徒より学業が遅れています。双葉蒼さんを受け持つ先生方には、フォローをよろしくお願いします。」
見慣れた各教科の先生たちが頷いていた。元々下から数えた方が早い俺はこの休みで勉強がさらにひどい事になるのは目に見えているのでありがたいと思った。
「それと、ここからはかなり特殊な話になります。心して聞いてください。明日より復帰する双葉蒼さんですが染色体異常が生まれて間も無く発見されて入院する前までは特に影響が出ることもなくきましたが、その影響が出た為に入院となり一時は命の危険もありました。現在は特に問題も無くなり普通に学校生活を送る事に支障がない事は医師の確認が取れています。だだ、混み入った事情があり、先生方の対応が必要になります。先生方が気になっていると思いますが隣にいる女子生徒ですが染色体異常の為に男性から女性に変わってしまった双葉蒼さんです。」
職員室にどよめきがおこり視線が俺に集まる。その視線に耐えられず視線から逃れようと下を向いていたら、校長先生が俺の肩に優しく手を置いてこちらを「大丈夫よ」と目で訴えるように優しく頬笑む。
「先生方の混乱する気持ちはわかります。だけどこれは事実です。今後は双葉蒼さんは女子生徒として扱って下さい。本人もちゃんと理解しています。しかし、今まで男子として生活してきた事と当然ながら先生方が戸惑ったように生徒たちも同じように戸惑う事が予想されます。戸惑う生徒達のフォローをよろしくお願いします。」
そこまで言うと先生方は、驚きとどう対応した物かと考えているようだった。そんな中一人の先生が質問をしてきた。
「片桐校長、確かに見た目は女性のように見えますが、その・・・女装しているとかではないのですか?」
「完全な女性です。医師数人で精密検査をした結果です。それに現在双葉さんのご両親が戸籍の変更の手続きを裁判所に申し立てをして受理されています。回答はまだ出てませんが肉体的は女性で戸籍的にも間も無く女性になります。他には質問はありますか?」
また別の先生が質問をしてきた。
「女性だという事はわかりました。しかしだからといって他の女子生徒と一緒というのは生徒が嫌がったりして問題がありませんか?男子と一緒という方が良いのではないでしょうか?それとも一人別にするなどの処置が良いと思います。」
他の先生達も同調するように頷き、賛同してきた。
男子と一緒って・・・今迄はそうだけど、女の身体で男子と一緒というのは恥ずかしい。
いくら元男だとしてもそれはさすがに酷いのではないか。
別にするとか、俺は学校にくるべきではないのかな。
わかってはいるつもりだった。
男が突然女になって現れたら驚くし混乱を招くだけだから・・・
これなら誰も知らない学校に転校した方がいいのかな・・・
そんな考えが頭の中を支配して気持ちが沈んで落ちて行き、
俺は意識が遠のく感じがして病院の時のように体の自由が奪われた。




