第一話
中学に進学して一ヶ月ほどたった日曜日の昼下がりに両親にリビングに
呼ばれソファに腰を下ろす、その前に父さん座り、台所からお茶を持ってきた
母さんがそれぞれの前にお茶を置き父さんの隣に座った。
そしておもむろに話し出した。
「蒼も中学生だ。事実を知り自分で考えておいて欲しいと思うので、
母さんと話してお前に説明する事にした。」
俺、双葉蒼は男として12年育った俺に親からお前は
女であると告げられた。どういう事?確かに背も低いし体の線も細く華奢だけど
俺には胸も無いし、ちゃんと男の子が下半身についている。
詳しく話を聞いてみると…
どうやら俺は染色体はXXで女らしい…なのにどうして男の身体になったのかは
現代医学でもわからないらしい。だから医者いわく突然女になる事もありえるし、
このまま変わらないと言う事ありえるし、中間になる可能性は無いとは言えないらしいという事らしい。早い話どうなるかまったく予想がつかないということだ。
ただ心配なのは思春期に入るとホルモンバランスが変わったりして、突然変化が起きかねないらしい。そう言われてみれば俺って病気でも無いのに年に二回大学病院で検査してたっけ…身体が弱いと言われ続け検査を受けていたのは女に変化してないかの検査だったのか…
それに気がつかない俺ってバカだな…
それと当時は相当迷ったらしい男として育てるか、女として育てるか、だからなのか自分にはまったく記憶がないのだが、小さい時の写真は可愛いフリフリの服を着てる女の子な感じな写真が多いとは思ったけど、こういう事だったのか・・・
突然の両親からの告白でかなりびっくりしたけど、今のところ男だとして
育ってきた俺は今更言われてもどうする事もできない。
まあなるようにしかならないから仕方が無い。今の生活を続けるしかないのだから・・・
自分が女だって言われてもイマイチ良くわからない。突然姿が変わるわけでもないし、男と認識して育ってきたのにどうしろと・・・
思いながらいつもの日常が過ぎていった。




