表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

この小説はArcadia Onlineという架空のMMOモドキを元に作られていますが、現実には存在しませんのでお気をつけ下さい。

また、この小説には中二病的表現が多分に含まれていますのでお気をつけ下さい。

なお、本作品はMMOということで他のアニメのキャラを模した登場人物なども出てきますのでお気をつけ下さい。

それではどうぞ

==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==


『Arcadia Online~アルカディア・オンライン~』


==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==


こんにちは!アルカディア・オンライン運営チームです。


この度は来る1月1日に正式サービスが開始されるアルカディア・オンラインのβ版テスターにご応募頂き、ありがとうございました!


抽選の結果、下記のお客さまのご登録されているアカウントが見事当選されましたのでご連絡させて頂きました。


ID:********

PASS:*******


下記URLよりクライアントのダウンロードが可能となっておりますのでご利用下さい。


http://www.arcadia_online/*************************

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.






ボクのPCにこんなメールが送信されていた。



「あるかでぃあ……おんらいん?」



初めて聞くタイトルに思わず困惑してしまったのはしょうがないと思う。

なにせこれでも有名無名問わずいろんなMMOをプレイしたことがあるボクだけれど、こんなMMOなんて聞いたことがなかったんだから。

更に言えば、このMMOのテスターには応募した記憶すら無いし。


もしかして妹がまた勝手にボクのPCを使って応募したんだろうか?

まったく…あの妹はどういう神経をしているんだか。

自分のPCがあるっていうのに勝手にヒトのPC使って……。


まぁ確かに妹のPCはボクのPCのお古だからお世辞にも高スペックとは言いがたい。

対してボクのPCはグラフィックボードやCPU、ハードディスクの拡張などいろいろこだわった作りのハイスペックPCだからMMOをプレイする分にはとても快適。

だからなのか過去にも今回と同じような事件が数回あった。


別にMMOなんてプレイ出来ればいいじゃない。

なんて考えの方もいるかと思うけれど、残念ながらボクの妹はそういうところに拘るリアル廃人だったりする。

ボクもある程度MMOは嗜んでいるけれどあの妹まではいってないと思う。


とはいえもしこれが妹の応募したものだとしたらそれはそれで問題だ。

なにせ妹は後数ヶ月で受験を迎える身。

それまではPCの類に触れられぬよう隔離された所謂"お勉強部屋"と呼ばれる部屋に軽く軟禁されているのだ。


そんな妹にもし新しいMMOのβ版テスターが当選した、と伝えたらどうなるだろうか?

―――結果は言わずもがなである。合掌。



「ふふっ…残念だったね、妹よ。君の無念はボクが晴らしてあげる」



どうせβ版テスターなんて数日しかやらないんだからあの妹が今の状況でプレイ出来るとも思えない。

妹には落選したということを伝え、ボクはその新型MMOというものを楽しませて貰おう。

外道畜生と罵られるかもしれないけれど…タイミングが合わなかったのだからしょうがない。

うん、これはしょうがないことなんだ。

………そう思うことにしておいた。



「そういえば、ここの運営会社ってどこなんだろう?」



そう思いながらマウスをスクロールさせていく。


けれどどこまで行ってもそこにはこのアルカディア・オンラインの設定がつらつらと書き連ねられているだけで運営会社の記載が無かった。

普通はヘッダーかフッターに運営会社が記載されているはずなんだけどなぁ……。


まぁ、時々バグっちゃうメルマガもあるし、これもその1つかな。


なんて軽い気持ちでボクはそのオンラインゲーム、アルカディア・オンラインの設定を流し読みしていた。

ちょうど今までやっていたMMOが飽きてきて新しいゲームを探していた時だったため、ボクは何の疑問も、違和感も抱かずにそのアルカディア・オンラインというものを始める気だった。



「体験型MMORPG……?」



ふと読んでいると所々で出てくるこの"体験型"という文字。

どういうことだろう? と疑問を抱きつつもメールに貼付されていたSS(スクリーンショット)を見てみるとそれはまるで実写のように秀麗な景観だった。

このリアルすぎる描写がウリの最近良くあるビジュアルメインなMMOなのかもしれない。


けれどボクはそれよりもそのゲームの目的に少し憧れを抱いた。



■アルカディア・オンラインとは?

プレイヤーは10以上の種族から自分の種族を決め、6つの国もしくは地域に所属し、世界を統一するのが目標です。

勿論自分の所属する国を裏切ることも可能です。頑張って世界を統一して下さい!



きっと大規模なギルド戦でもやるんだろう。

正直PvP(プレイヤー バーサス プレイヤー)はあまり好きじゃないボクだけど、天下を統一するなんて昔よくあった戦国を統一するようなゲームのようで浪漫があっていい。

まぁどうせβ版のテスターってことみたいだし……やってみようかな。



そんな軽い気持ちで、ボクはクライアントをダウンロード、インストールしゲームを起動させた。






爽快な音楽と共に簡易的なタイトルが表示される。

その後続けてどこかで聞いたことがあるような声優さんの声をナレーションにキャラクター作成へ入る。



[>ようこそ!アルカディア・オンラインへ!このゲームでは最初に所属する6つの国、地域が選べます!次の選択にもなりますが、場所によっては選択出来ない種族もありますので気をつけてください!



「まず所属する国を選択、か」



選択出来る国は全部で6つ。


1つは竜達が王となり国を纏めているエル・ドラド王国


1つは獣人や亜人などの少数種族が纏まって作った連邦国家カナン


1つは精霊や妖精たちが暮らす独立国家アヴァロン


1つは背中に白い羽を持った所謂天使と呼ばれる者たちが作った天空国家ヴァルハラ


1つは悪魔や魔獣と呼ばれるはぐれものたちが争いあう唯一国ではなく地域のアルハザード


最後の1つが最も広大で最も繁殖率の高い人間達が治める連合国家アトランティス



「うーん……せっかくだから響きが気に入ったアルハザードにしよう」



アルハザードは悪魔や魔獣だけじゃなく、いろんな種族から追放された人たちが集う地域らしいからいろんな種族が選び放題ってわけですよ!

別に悪魔とか闇とかそんな中二的なものがいいとかそんなんじゃないよ?ホントだよ?



[>次に種族を選択してください!なお、先ほども説明しましたが、所属する場所によっては選択出来ない種族もありますのでお気をつけ下さい!


「種族……種族ねぇ」



確かにアルハザードは軽く10を越える種族が選択出来た。

しかも芸が細かいことに天使を選んだ場合は堕天使に、エルフを選んだ場合はダークエルフに、と元の天使やエルフとは異なるグラフィックが用意されている。


そんな中からボクが選んだのはデフォルトで登録されていた黒い羽と赤いゴスロリ風ドレスを纏った吸血鬼。

別に悪魔とか闇とか(ry

性別や容姿も自由に決められるみたいで作っていると、ふとどこからか金髪ロリ幼女を作れと電波を受信した。

それなんてエターナル・フォース・ブリザード? もしくは妹さまですか? と思いつつ製作に掛かる。

こういう時はノリなんだよ、きっと。



「っと名前まで同じのにするとちょっとあれだから………よし、アイズ・サヴェンツィっと。次はキャラクターのステータスとアビリティ、かぁ」



このゲームの面白い所はこのキャラクターメイキングだと開始数分で思ってしまった。

例えば種族だって10以上の種族から選べたし、容姿も自由に決められた。

そして何よりも自由度の高いのがこのステータスとアビリティの割り振りだと思う。


このアルカディア・オンラインでは各プレイヤーが予め50のポイントを所持した状態から始まる。

そしてその50のポイントをステータスポイントに変換するかアビリティポイントに変換するか、で最初の分岐が出来る。


ステータスポイントに変換する場合1ポイントで1ステータスポイントになる。

アビリティポイントに変換する場合2ポイントで1アビリティポイントになる。


つまりアビリティを全て削って50ステータスポイントにすることも出来れば、ステータスを削って25アビリティポイントにすることも出来るってわけ。

もちろんボクの選択は―――



「すべてアビリティポイントに変換で」



ステータスなんてレベルさえ上がれば勝手に上がるけどアビリティは覚えるのにクエストが必要かもしれないし、ボクそういう面倒なこと嫌いだからねー。

強力なアビリティさえ覚えちゃえばレベル上げなんて簡単ですよ?



[>一度ポイントを変換すると戻すことは出来ませんがよろしいですか?



「かまいませんっと」



[>アビリティポイント25獲得。どのアビリティを習得しますか?



「どのアビリティ…って多いよ!これ!」



そこにはもう目が痛くなるような数十個のアビリティのチェックマークががががががが....


その中でボクの目を引いたのはアビリティとは別のタグになっていた上級アビリティというもの。



「上級アビリティってことは通常のアビリティより強力ってことだよね。でもその代わり1つ覚えるのにアビリティポイント3使用に加えバッドアビリティ1つ習得、か」



バッドアビリティはランダムで選出されるらしく1つ覚えるのにアビリティポイントが2必要、か。

となると上級アビリティを覚える場合、まず上級アビリティで3、そしてバッドアビリティで2だから最低でも5使うってことかぁ。

更に普通のアビリティは成長して強くなるけどこの上級アビリティは成長しないアビリティらしいし……



「正直バッドアビリティってどんなものになるか気になるけど記載されてないからなぁ……でもこの上級アビリティって名前しか解んないけどチート級だと思うんだ」



例えば上級アビリティにあったのは蘇生能力。

これってつまりダメージを受けても自動的に回復するってヤツなんでしょ?

回復アイテム要らずになるかもしれない。

他にも超直感とか罪と罰とかいう名前だけじゃどんなアビリティになるのかわからないようなアビリティもある。



「せめて説明書きがあればねぇ……まぁβ版だからまだテキストが用意されていないとか、そういう落ちなのかもしれないけど」



結局ボクは普通のアビリティを1つも覚えず、上級アビリティのみ5つ覚えるという明らかにネタ臭しかしないようなキャラを作った。



「名前がアイズ・サヴェンツィで見た目は金髪ゴスロリ幼女。種族は吸血鬼で初期ステータスは全て1。覚えたアビリティは全て上級で禁術習得、吸収能力、蘇生能力、魔力生成、吸血能力の5つっと」



上級アビリティはちょっと中ニ臭がするような選択になったけどこれバッドアビリティが5つ付くってことだよね……。

チート級な上級アビリティの対になるアビリティなんだからどれだけマイナスなんだろ……。

ま、始めてみれば解るかぁー。



「それじゃ、スタートっと」


[>それではゲームを開始します。アルカディアの世界へようこそ!アイズ・サヴェンツィさま」


「え……?」



突然機械的な音声から肉質のある、まるで耳元で囁かれているかのような声にふと振り返った。

そこには確かに誰かが居た。

部屋の鍵もかけてある、ここは間違いなく自分の部屋なのに。

咄嗟に誰かを呼ぼうとして―――ボクの意識は暗転した。











思いだしてみれば、それがボクのこの世界『アルカディア』へ来ることになった原因だった。

果たしてボクは、このゲームをクリアすることが出来るんだろうか..........................

番外編


妹「PCが……PCが私を呼んでいる…」ハァハァ

母「アンタは何言ってんの。もうすぐ受験なんだからパソコンなんて触ってる暇ないでしょう」

妹「」ムー

母「何?その顔は」

妹「5分」

母「ダメ」

妹「じゃあ10分」

母「なんで増えてるのよ。ダメったらダーメ」

妹「8分」

母「ダメだっていってるでしょ」

妹「6分30秒」

母「ほら、そんな下らないこと言ってないで勉強しなさい。お母さんがみていてあげるから」

妹「」グス

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ