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こども園にて

「こら!ダメでしょ!折り紙は一人1枚なの。赤色の折り紙はゆうみちゃんの、結衣斗君は水色の折り紙よ。」

千代は腰に手を当てて、大きな声を張り上げていた。さっきはそこまで大きい声ではなかったのだが、それは結衣斗君が水色の折り紙をくしゃくしゃにしたからだろう。

「千代先生。そこまでする必要ありませんよー。ほら、結衣斗君赤色の…」

「櫻先生もちょっと甘やかしすぎなんじゃないですか?親がいない間預かる場所とはいえ、小学校に入るまでの準備もさせなくてはならないんですから。小学校に入ったらそんな交換してもらうことありません。そうやって毎回交換させてるとそれが普通だって思いこんじゃいますよ」

千代は後輩の先生に対しても厳しい。しかし、それもあってか先生にも子供たちにも人気なのだ。ほら、今回も千代が起こってるにも構わず…

「千代せんせー。折り紙やぶれたー」

「破れたー。千代先生に破れたのーあげたい」

「ここわかんないー」

保育園というのは誰かがしゃべればだれか2人が反応してまた更に2人ずつ反応して…の繰り返しなのだ。

「あぁもう!櫻先生、今回だけですけど結衣斗君に赤色の折り紙あげといてください」

千代は先ほど呼ばれた班にいった

―お昼

子供達が静かに寝息を立てている間、先生たちは仕事をしながら雑談をする時間だ。

「千代先生ってー、よもぎ中なんですよね?なんかどうしたら入れたんですか」

「結構頑張ったかな。でも、自慢じゃないけど結局天才肌だったから」

自慢じゃないとはいっているものの顔が少しにやけている。

「櫻先生はどこなんですか?」

「あたしは、行ってもわかんないと思うよ。四国生まれだから」

「そっか」

「私も、保育士になってから5年か。」

「あたしは3年」

千代はコーヒーに手を伸ばした。

一通りの業務を終えると、お昼寝から目覚める時間になっていた。

千代はピアノの前に座る。

ファファー、ソソー、シシー

お人形の夢と目ざめの、目ざめの部分を引いた。

「ん」

あかりが一番に動いた。

そこから周りに広がっていく。

「まーだーねたーい」

ぐずぐずしている子もいた。

千代は、踊りの部分に入った曲を弾き続けた。

今は上手に弾けるが弾けるようになったのは結構最近なのだ。

「さぁみんな起きて!歌の練習だよ」

最後までぐずっていたこが立ち上がった。

ひとりひとり布団をたたみ、それぞれのロッカーに入れる。

「早く歌うたおうよー」

皆で歌を歌っていると、最初のお迎えが来る。

「それでは、あかりちゃんさようなら」

「さようなら」

ひとり帰ったら歌やゲームなどみんなでやることはやらせないようにしている。

「じゃあ、みんな、粘土とかやってていいですよ」

そういうと、蜘蛛の子を散らすようにみんながロッカーにかけていく。

最後のお迎えの子が帰るまでが「保育」の時間である。

そこからも仕事は続く。

5、6歳のクラスであるうめ組の先生、櫻先生と槇原先生と共同で、片付け、掃除、などをする。それぞれの仕事が終わった人から帰るが、終わらなかったら持ち帰って仕事となっている。

「じゃあ、お先に失礼します」

櫻先生が帰ると職員室には千代しかいなくなった。

「はぁ、持ち帰るか」

千代はプリントをまとめると、カバンに入れた。

PCの電源を落とし、部屋の点検をする。

「今日もよしっと。お疲れ様でしたー」

部屋に向かって言うと、鍵を閉めた。




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