14-5:黒幕の“自爆(メルトダウン)”
(場所:大手町・金融中枢ビル 最深部 & 電脳世界)
「ガアアアアアアッ……!!」
俺(玄)と俺(愁)の、魂を込めた“同調攻撃”。
それが、電脳世界の「核」を貫いた、その瞬間。
現実の黒幕は、物理サーバーの前で、大量の血を吐き散らしながら吹き飛んだ。
はず、だった。
「……ク、ククク……」
黒幕は、倒れなかった。
いや、倒れることを“拒否”した。
蒼い霊刃に全身を切り刻まれ、電脳体を貫かれながらも、
その男は、狂ったように笑い出したのだ。
「まだだ……! 我らが“恨み”は、終わらん……!」
(場所:電脳世界)
(……あ?)
俺(玄)が貫いた手応え。
確かに“急所”を突いたはずだ。
だが、突き刺した俺の腕(霊刃)に、ドロリとした、不快な“熱”が絡みついてくる。
(小僧! 引け! こいつ、タダじゃ死なねえぞ!)
(場所:大手町・金融中枢ビル)
黒幕は、自身の身体を支えるように、両手を物理サーバーに突き刺した。
そして、防御を完全に捨てた。
「ワクチンだと? 浄化だと? ……無駄だ」
彼は、インターネット(じごく)から集め続け、サーバー内に溜め込んでいた、日本中の「悪意」のすべてを。
制御することを、放棄した。
「我が“呪い”もろとも……この“心臓”を、喰らえ!!」
ドクンッ!!
「なっ!?」
地下室のモニター越しに見ていた霧島さんが、絶句した。
物理サーバーが、赤を通り越して、ドス黒く変色していく。
黒幕は、ワクチン(蒼い刃)を迎撃するのをやめ、
その膨大な呪力を、サーバー内部の回路を焼き尽くすための“燃料”として、一気に点火したのだ!
『警告! 警告! 炉心温度、計測不能!』
『物理的融解、始まります!』
プログラマーの悲鳴が、地下室に響き渡る。
「自爆だと……!?」
「テメェごと、日本経済を消し飛ばす気か!!」
黒幕は、黒い炎に包まれながら、恍惚の表情で叫んだ。
「そうだ! これこそが“江戸”の望み! 灰になれ、令和!!」
物理的な熱暴走と、霊的な呪いの爆発。
もはや、「斬る」ことも「守る」こともできない。
純粋な“破滅”のエネルギーが、大手町を中心に、膨れ上がろうとしていた!




