表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/168

13-4:リアル世界(詩織の“翻訳”)

(場所:地下室・特殊事案対応室とくしゅじあんたいおうしつ


浅河あさかわ! ワクチンが間に合わねえぞ!!」


霧島きりしまさんの絶望的な叫びが、地下サーバー室に響き渡る。


だが、その声は、ダイブしているしゅうには届かない。


しゅうの“肉体”は、霊的デバイス(ヘルメット)を装着したまま、椅子にぐったりともたれかかっている。


その横で、詩織しおりは、結界の中、目を閉じ、全ての神経を研ぎ澄ましていた。


(……来ます)


詩織しおりの脳裏に、しゅうのヘルメットから送られてくる、膨大な「霊的パルス」が、奔流となって叩きつけられる。


それは、げんさんが「江戸OSえどおーえす」の中で振るっている、一挙手一投足。


あやめる”ためだけに最適化された、江戸の「動き(しょさ)」そのものだ。


(速い……! 追いつけない!)


げんさんの「殺意」は、あまりにも純粋で、あまりにも速い。


詩織しおりは、霊力を限界まで引き上げ、トランス状態に突入した。


彼女は、その「殺し」の“意味”を、現実リアルの言語へと“翻訳ほんやく”を開始する。


「(インカムの向こうのプログラマーに向かって、詠唱するように)」


「……観測、開始。“翻訳ほんやく”を、開始します……!」


詩織しおりの唇が、震えながらも、確実な「コード」を紡ぎ出す。


「“おん”のプログラム(敵の攻撃)に対し、“だん”のシーケンス(玄の斬撃)を、入力インプット……!」


げんさんが、敵の「呪いの連鎖」を斬った!)


『(インカム)――な!? おい、今、コンソールに、意味不明だが有効な“対抗コード”が……!』


プログラマーの驚愕の声を無視し、詩織しおりは、次の「動き」を“翻訳ほんやく”する。


げんさんが、敵の“コア”を“突いた”!)


「“じゅ”の連鎖を、“はらい”のコード(玄の回避動作)で、強制切断ッ!」


『(インカム)――ウオオオオオッ! (絶叫)すげえ!』


インカムの向こう側で、オカルトオタク(プログラマー)の先輩が、椅子から転げ落ちるような、絶叫を上げた。


『本当に“対抗呪術たいこうじゅじゅつワクチンコード”が生成されていく!』


『“江戸えど”の「動き」が、“現代げんだい”の「コード」に“変換”されてやがる!』


そして、彼は、戦慄と歓喜に震える声で、叫んだ。


『これが……! これが、鬼神えどの“ころし)かた(OS)”かよ!』


「(舌打ち)チッ……!」


霧島きりしまさんは、その報告を聞き、同時に、大手町おおてまちの監視モニター(黒幕がサーバーを焼いている映像)を見た。


「だが、間に合うか!」


ワクチンの“生成”と、心臓の“破壊”。


二つの「現実リアル」が、今、コンマ一秒を争っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ