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9-5:ダイブ

おれたちは、喫茶きっさスペースのおくにある座敷ざしき――おれいえの、生活せいかつスペースでもあるたたみ部屋へや移動いどうした。


さっきまでのさわがしさがうそのように、空気くうきがピリッとめる。


詩織しおりは、学生鞄がくせいかばんから手早てばや道具どうぐした。


きよめのしおたたみうええんえがき、その四方しほう数枚すうまい御札おふだてる。


即席そくせきだが、強力きょうりょく結界けっかいだ。


しゅうさん」


詩織しおりが、結界けっかい内側うちがわからおれげた。そのかおに、いつもの余裕よゆうはない。


「これからわたしは、完全かんぜん無防備むぼうびになります。この結界けっかいまもりを、げんさまちからで、増幅ぞうふくしてください」


『……チッ。本当ほんとう無茶むちゃをしやがる、この小娘こむすめは』


脳内のうないげん舌打したうちするが、同意どういあかしか、おれからだ鬼神きしんちからみなぎはじめる。


おれは、詩織しおりすわ結界けっかいそとに、仁王立におうだちになった。


ひらいたままのノートPCピーシーからは、霧島きりしまが、この異様いようなオカルト儀式ぎしき一部始終いちぶしじゅうを、値踏ねぶみするように「監視かんし」している。


準備じゅんびととのった。


詩織しおり結界けっかいなか正座せいざし、スッとじた。


部屋へや空気くうきが、さらにシンとしずまりかえる。


彼女かのじょくちびるから、祝詞のりとつむされる。


それは、いつものはらいの言葉ことばとはちがう、もっとふるく、かみみちうような、おごそかなひびきだった。


祝詞のりと最高潮さいこうちょうたっした瞬間しゅんかん


詩織しおりからだが、ピクリとかる痙攣けいれんした。


『……きやがった』


げんが、ひくつぶやく。


彼女かのじょ意識いしきが、肉体にくたいはなれたのだ。


だが、そのさきは、おれたちが使つかうインターネット(物理回線ぶつりかいせん)ではない。


のろいとのろいがつながりってできた、もうひとつの電脳でんのう世界せかい


あの悪党あくとうどもがつくげた、けがれた「霊的れいてきなネットワーク」へと、彼女かのじょはたった一人ひとりで“ダイブ”した。

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