表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/168

8-8:現実(げんじつ)への帰還(きかん) 霧島(きりしま)の最後(さいご)の言葉(ことば)が、玄(げん)の負(お)い目(め)に深々(ふかぶか)と突(つ)き刺(さ)さった、その瞬間(しゅんかん)。

8-8:現実げんじつへの帰還きかん 霧島きりしま最後さいご言葉ことばが、げんに深々(ふかぶか)とさった、その瞬間しゅんかん


おれかたかれていた霧島きりしまが、スッとはなれた。


「――ッ!?」


ハッ、とおれいきんだ。


金縛かなしばりがけ、全身ぜんしんつめたいあせしている。


もどってきた……!)


視界しかいには、見慣みなれた「特殊事案対応室とくしゅじあんたいおうしつ」の光景こうけいひろがっている。


ケビンのタイピングおん剛田ごうださんのプロテインシェイカーのおと


さっきまで、あんなにとおくにこえていた現実げんじつおとが、鼓膜こまくらす。


精神世界せいしんせかいでは、まるで何時間なんじかんったかのような、濃密のうみつなやりりがあった。


だが、現実げんじつでは、霧島きりしまおれかたいてから、ほんの数秒すうびょうしかっていなかった。


「……どうかしたか? 浅河あさかわくん。ずいぶん顔色かおいろわるいぞ」


まえには、コーヒーカップを片手かたてに、小首こくびかしげる霧島きりしまがいた。


あの精神世界せいしんせかいた、まぶしいほどのしろひかりのオーラも、何百年なんびゃくねんもの因縁いんねん背負せおった「御庭番おにわばん末裔まつえい」のかおも、そこにはない。


あるのは、つかみどころのない、いつもの「胡散臭うさんくさ上司じょうし霧島きりしま」の笑顔えがおだけだ。


「……で、報告書ほうこくしょ不備ふびだが」


かれは、何事なにごとももなかったかのように、さっきのはなしつづきをはじめた。


(……このひと、マジで……)


おれは、ゴクリと生唾なまつばんだ。


江戸時代えどじだいからつづく、“のろい”の組織そしき?)


(それをう、“御庭番おにわばん末裔まつえい”?)


(そして、そいつらに“”がある、“鬼神きしん”?)


おれは、ただの就活しゅうかつ全滅ぜんめつ大学生だいがくせいだったはずなのに。


いつのにか、とんでもねぇスケールの、江戸時代えどじだいからつづ因縁いんねんと、あらたな“共闘契約きょうとうけいやく”の、どなかほうまれたことをさとった。


(……マジかよ。おれ二重生活ダブルワーク、これからどうなっちまうんだ……)


おれ平穏へいおんな(?)サラリーマンライフは、この完全かんぜんわりをげた。


つづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ