表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/168

8-3:上司(じょうし)の“お声(こえ)がけ” その日(ひ)の夕方(ゆうがた)。

終業時刻しゅうぎょうじこくちかづき、地下ちかの「特殊事案対応室とくしゅじあんたいおうしつ」も、こころなしか空気くうきゆるんでいた。


剛田ごうださんはプロテインをシェイクしはじめ、ケビンは(仕事しごとのフリをしながら)オカルトけい動画どうがサイトをている。


おれも、今日きょう一日いちにち霧島きりしま視線しせんさらされつづけ、精神的せいしんてきつかてていた。


(……はやかえって、詩織しおり昨日きのうの“うらみ”のけんめねぇと)


そんなことばかりかんがえながらPCピーシー電源でんげんとそうとした、そのとき


「――おつかれ、浅河あさかわくん」


おともなく、霧島きりしまおれ背後はいごっていた。


(うわっ!?)


『チッ!』


おれげんが、同時どうじにビクッと反応はんのうする。


霧島きりしまは、おれのそんなリアクションをたのしむように、ふらりとちかづくと、おれのデスクにをついた。


かおかおが、いやちかさだ。


「あの、霧島きりしまさん……? おれ、もうわりですけど」


「ああ、ってる。だが、そのまえに」


霧島きりしまは、笑顔えがおのまま、こえのトーンを一段いちだんとした。


浅河あさかわくん。昨日きのうの“ヌシ”のけんだが、報告書ほうこくしょ不備ふびがある」


「え……(不備ふび? あんなデタラメしかいてねぇ報告書ほうこくしょに、今更いまさらなんの……)」


きみたおした“アレ(あれ)”の残骸ざんがいサンプル、回収かいしゅうわすれてるだろ?」


「……!」


「まぁ、ばなしもなんだ。――ちょっと、“はなし”をしようか」


霧島きりしまが、ポン、とおれかたいた。


カジュアルな上司じょうしが、部下ぶかかたたたく、よくある仕草しぐさ


だが。


「――ッ!?」


れた瞬間しゅんかん


つめたいとか、あついとか、そんなチャチなもんじゃなかった。


ぐにゃり。


おれ意識いしきが、ゆがんだ。


視界しかいが、まるでみずなかから景色けしきているようにらぎはじめる。


ケビンのタイピングおんが、剛田ごうださんのシェイカーのおとが、急速きゅうそくとおのいていく。


小僧こぞうッ! こいつ、なにをしやがった!? 意識いしきってかれるぞ!』


げんあせったこえも、ノイズじりにこえる。


おれ精神せいしんが、霧島きりしまつかまれ、強引ごういん現実げんじつからがされようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ