表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/168

第6章:二重生活(ダブルワーク)と浅草(あさくさ)の“ヌシ” 6-1:初出社(はつしゅっしゃ)と“裏”部署(うらぶしょ)

翌週よくしゅう

2025年、11月も終わろうとしている、肌寒はださむい朝だった。


俺は、いつものパーカーにジーンズという、およそ社会人しゃかいじんらしからぬ格好かっこうで、新宿しんじゅく高層こうそうオフィスビルを見上みあげていた。


「……でけぇ」

朝日あさひ反射はんしゃしてかがやくガラスりの巨塔きょとう


そのエントランスを、パリッとしたスーツをたビジネスマンたちが、いせわしなく出入りしている。


場違ばちがかん半端はんぱない。

俺の就職先しゅうしょくさき、「株式会社サイバー・ガーディアン」。

国内こくない最大手さいおおてのITセキュリティ企業きぎょうだ。


本来ほんらいなら、俺みたいなのがコネなしで入れるような場所ばしょじゃねぇ。


「……よし」

覚悟かくごめて、自動じどうドアをくぐる。


受付うけつけ綺麗きれいなおねえさんに、霧島きりしまからわたされたかりIDカードをせると、彼女かのじょ一瞬いっしゅんだけ怪訝けげんかおをして、すぐに営業用えいぎょうよう笑顔えがおもどった。


浅河愁あさかわしゅう様ですね。……配属先はいぞくさきは、地下ちか3かいになります」

地下ちか……ですか?」

「はい。エレベーターで、直接ちょくせつどうぞ」


地下ちか3かい

案内板あんないばんには「サーバーしつ機械室きかいしつ」としかかれていない。


エレベーターをりると、そこは地上ちじょうはなやかさとは無縁むえんの、無機質むきしつなコンクリートの廊下ろうかだった。

空調くうちょうひくうなおんだけがひびいている。


廊下ろうか一番奥いちばんおく

関係者以外かんけいしゃいがい立入禁止たちいりきんし」のふだがかかった、重厚じゅうこう鉄扉てっぴまえで、俺はあしめた。


表札ひょうさつには、「旧資料保管庫きゅうしりょうほかんこ」とある。


(……ここか?)

IDカードをリーダーにかざすと、ガコン、とおも電子でんしロックがはずれるおとがした。


おそおそなかはいると、そこはカオスだった。

部屋へや半分はんぶんは、最新鋭さいしんえいのサーバーラックがならび、無数むすうのLEDが点滅てんめつしている。

だが、もう半分はんぶんは、まるで別世界べつせかいだ。


あやしげな魔方陣まほうじんのようなポスターがられたデスク。


そのよこには、なぜか本格的ほんかくてきな筋トレきんトレようベンチプレスと、サンドバッグがつるされている。


カップめん容器ようき山積やまづみになったテーブル。


「ようこそ、浅河あさかわくん」

部屋へやおく一番いちばん上等じょうとう革張かわばりのチェアにすわっていた霧島きりしまが、ニヤリとわらってひろげた。


「ここがきみ職場しょくば通称つうしょう特殊事案対応室とくしゅじあんたいおうしつ』だ」


霧島きりしまは、部屋へやにいた二人の先客せんきゃく紹介しょうかいした。


「こっちが、ケビン・ミラー。元・某国ぼうこく諜報機関ちょうほうきかんでホワイトハッカーをしていたが、オカルトにハマりすぎてクビになった天才てんさいだ」


「……Hiハイ。Newbie(新入り)。きみ背中せなか面白おもしろいオーラがえるネ」


金髪きんぱつで、死人しにんみたいにはだしろおとこが、モニターからはなさずに片手かたてげた。


(……オーラって、げんのことか!?)


「で、あっちで筋肉きんにくをイジメてるのが、剛田ごうだたけし。元・自衛隊じえいたい特殊作戦群とくしゅさくせんぐんだ。物理ぶつりセキュリティ担当たんとう


「……ウス」

丸太まるたみてぇなうでをした大男おおおとこが、黙々(もくもく)と100キロはありそうなバーベルをろししている。


目が合っただけで、俺の本能ほんのうが「勝てねぇ」とさけんだ。


「ま、見ての通り、社会不適合者しゃかいふてきごうしゃあつまりさ」

霧島きりしまたのしそうにった。


おもてに出せない“特殊とくしゅ”なトラブルを処理しょりするのが、我々(われわれ)の仕事しごとだ。……きみには、ピッタリだろ?」


(……とんでもねぇところちまった)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ