表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/168

5-7:令和の“仕事人”、就職

X社のオフィスは、高層こうそうビルのワンフロアだった。

もちろん、厳重げんじゅうなセキュリティがかれている。


「愁さん、ここの認証にんしょうは……」


「いらねぇよ、そんなもん」

俺は、ビルの管理かんりシステムに、詩織のタブレット経由けいゆでハッキングする。


(霧島さん、あんたの技術ぎじゅつ見様見真似みようみまね使つかわせてもらうぜ!)


ガコン。

全てのセキュリティドアが、一斉いっせいいた。


「な、なんだ!?」

あわててしてきた警備員けいびいんたち。


だが、そいつらは、俺のとなりをすりけた“何か”に、一瞬いっしゅんしずめられた。


『――おせぇ』


俺のからだを、玄が完璧かんぺきあやつる。


ふところの「黒蓮華かんざし」が、警備員けいびいんたちの急所きゅうしょ(もちろんころさない)を正確せいかくき、神経しんけい麻痺まひさせる。


「(玄さん、おくのサーバルームだ!)」


承知しょうち!』

サーバルームで、亜美はふるえていた。


「あ……あさか、わ、くん……?」


「高円寺さん、もう大丈夫だいじょうぶだ」

俺は、亜美をかばうようにつと、X社のメインサーバーに、詩織からったUSBメモリをした。


「(……悪いな、X社。あんたらの悪事あくじ証拠しょうこ全部ぜんぶもらうぜ)」

そして、エンターキーを、たたいた。


送信先そうしんさきは、すべてのマスコミ。


――そして、オマケに「株式会社サイバー・ガーディアン」の霧島さんてにも、おくっておいた。


事件じけんは、あっけなくわった。


X社は、翌日よくじつには強制捜査きょうせいそうさけ、幹部かんぶ全員逮捕たいほされた。


後日ごじつ

亜美は、俺に改めて感謝かんしゃしに来てくれた。


「……でも、浅河くん、なんだか、もうわたしの知らない世界せかいってしまったみたい」

そう言って、彼女かのじょは少しさびそうにわらい、距離きょりいた。


(……まぁ、これでいいか)


その夜。詩織のアパートで、俺はいつものように緑茶りょくちゃすすっていた。


「……よかったのですか、内定ないてい

詩織が、ポツリといてきた。


「いいんだよ」

俺は、湯呑ゆのみいてわらった。


「俺、やっと“就職先しゅうしょくさき”、めたから」

“恨み(うらみ)”をらす、この“仕事しごと”だ。


その時だった。


ブブブ、と俺のスマホがった。

ディスプレイには、「霧島きりしま」の二文字。


(うわ、マジか。おこってるかな……)

おそおそる、電話でんわる。


「……もしもし、浅河です」「――最高さいこうだ、浅河くん」

霧島の、興奮こうふんしたようなこえが、みみび込んできた。


きみおくってくれた証拠しょうこ! アレ(あれ)のおかげで、X社エックスしゃ背後はいごにいたデカいのも、まとめてたたけた!」


「は、はぁ……」


「……ああ、そうだ。ウチの会社かいしゃ、“うら”の部署ぶしょに、ちょうど欠員けついんた」


「……え?」


明日あしたからい。あ、スーツはてこなくていいぞ」

電話でんわは、一方的いっぽうてきれた。


俺は、スマホをったまま、呆然ぼうぜんとする。

おもてのITセキュリティ会社と、うらの“仕事人しごとにん”。しゅう二重生活ダブルワークが、今、はじまる――)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ