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01.少年はずっと前から好きな幼馴染(♂)に告白されました。姉と勘違いされて

「ず、ずっと前から好きでした!付き合ってください」

「ぼ、僕でよかったら喜んで!」


 とある中学の卒業式。

 この日、一組のカップルが誕生した。


 皆月 亜希人(みなづき あきと)が、家が隣同士で幼馴染の姫川 春奈(ひめかわはるな)に告白したのだ。

 ちなみに、春奈は女性だが、自分の事を僕と言っている。

 数カ月前までは私だったが、なぜだか僕と言い始めたのだ。


 そして今まで二人は幼馴染として過ごしていたが、亜紀人は今日、中学卒業のこの日、ついに自らの意思で彼女春奈に告白する事にしたのだ。

 結果はYES。


 亜紀人の心は喜びに満ちていた。


「驚いた……まさかこんな事になるなんて。ずっと好きだった亜紀人に告白されるなんて」


 春奈の顔は真っ赤になり、心臓はまだバクバクしている。


「嬉しい……絶対に叶わない想いだと思っていたのに……」

「どうしてそんなこと思うのさ、俺、ずっと前から好きだったんだぜ」

「うん。うん!、よかった、ありがとう、告白してく……」


 その時、春奈の動きが止まった。

 なぜか、彼女は亜紀人の顔をまじまじと見ている。


「どうしたの?春()


 動きを止める春奈。


「大丈夫?やっぱり嫌だった」

「うぅん、違うよ」

「じゃ、じゃぁ、一緒に帰ろうか」

「ごめんなさい、これからやらなくちゃいけない事があって……しばらく帰れないんだ」

「そっか、じゃぁ、また後で」

「うん、後でね」


 そういって春奈は小走りで亜紀から離れた。

 そして、彼から見えない位置に隠れると……


 涙がこぼれる。


「どうしよう……大変な事になっちゃった。でも、亜紀人もひどいよ」


 そういって自分の制服のスカートを見る。


「いくらお姉ちゃんの制服を着ているとはいえ、僕とお姉ちゃんを間違えるなんて」


 そう言って大粒の涙を流す。


 彼女は春奈ではない。

 彼女は彼、つまり男。

 そして、春奈の双子の弟の春樹(はるき)なのだ。




 春樹は小さいころから亜紀人が好きだった。

 しかし、お互い男である事から、言い出せないでいた。


 ある日、同性愛者の動画をたまたま見たとき、春樹は亜紀人に質問した。


「ねぇ、亜紀人。同性愛ってどう思う?その……男同士のカップルとか」

「う~ん、まぁ、いいんじゃないか」

「本当に!?」


 この時、春樹は天にも昇る気持ちだった。

 しかし、次の言葉で地獄に堕とされた。


「まぁ、でも俺はしたくないね。男を好きになるなんて」

「ど、どうして」

「どうしてって……俺、女性が好きだから」

「そっか、亜紀人はお姉ちゃんが好きだもんね」


 この後、春樹は一人で泣いた。

 彼の想いは、告白する前に玉砕したのだ。



 亜紀人は小さい頃から春奈の事が好きだった。

 そして、自分の親友にして春奈の双子の弟の春樹に恋愛相談もしていたのだ。


 そんな事があり、春樹は自らの想いを封じる事にしていた。


 だが、今日。

 中学卒業の日。


 卒業式終了後の事だ。


「ねぇ、春樹。ちょっと制服交換してみない?」

「え、なんで?」

「いいでしょ。うちの学校、来年からスカートとズボン好きな方選べるようになるでしょ。でも、僕達って男はズボン、女はスカートで固定だったじゃない。だから、卒業記念に制服のズボン来てみたいなって」

「でも……」

「いいでしょ。誰も気づかないわよ。私達って髪型も背丈もほとんど一緒だし」


 そう言って笑う。


 ちなみに、どちらも口には出さないが、春奈は貧乳だから、尚沢見分けがつかない。


(まぁ、お姉ちゃんそれ言ったら怒るしね)


 実は結構春奈は気にしているのだ。


 かくして、こっそり着替えた後。


「じゃぁ、僕はこの格好で学校回って来るね」


 こう言ったのは春奈。

 彼女はどうしようか迷っている春樹にこう提案した。


「そうだ、亜紀人に会いに行ってみなよ。気付くかどうか試してみたら?」

「そうだ、ね。試してみるよ」

「あいつなら、図書館裏の木にいるらしいから。じゃ、いってらっしゃーい」


 春樹は気づいていなかった。

 なぜ、春奈が彼がいる場所を知っているのかを。


 こうして、図書館裏の木の場所に行った春樹は亜紀人に会いに行ったのだが……


「亜紀人、お待たせ!」


 春樹は笑顔でそう呼びかけた。

 その瞬間だった。


「ず、ずっと前から好きでした!付き合ってください」


 いきなりの告白に、春樹は思わず


「ぼ、僕でよかったら喜んで!」


 そう言ってしまった。

 本音が出たとも言える。


 しかし、すぐに亜紀人の勘違いに気付いた春樹は、姉の制服を着たまま家に帰るのだった。

 大粒の涙を流しながら、全力疾走で。


本小説は、勢いで書いてます。

書き貯めも有りません。


サザエさん時空の予定。

書きたい事を書きます。

まぁ、なるべく矛盾が無いようにしますので、

有ったらご指摘お願いいたします。


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