第65話不死で不老の最強生物
誤字脱字、矛盾点などがございましたら教えて頂けると幸いです
彼女は化け物だった
「・・・」
本気で剣を振るう度に、剣が砕け、敵が消し飛ぶ
「フゥーー」
お腹を出血しているのにも関わらず、数日間動き続けている
「木城!ホントに死ぬよ!!」
「分かってる。だけど戦って死ぬのは私的にはマルだ」
「俺的にはバツだよ!」
不死なる魔物が心配しているが、彼女は一切止まるつもりはないみたいだ
この場で死ぬ。そう思うほどに彼女は命を燃やしていた
「死ぬってなったら蓮真の手で殺してくれ」
「なんでもう死ぬ気なの!?頑張って生きようよ!!」
「・・・蓮真、状況をよく見ろ。流石の私も勝てないと分かる」
「じゃあ早く死んでもらえます?」
不死なる魔物と彼女の会話に、割り込むが完全に無視される
「私が死ぬとしたらあいつじゃなくて、お前に殺して貰いたい」
「・・・」
「・・・」
二人は見つめ合っている。そこに攻撃しようとしたが
「・・・」
彼女からあふれ出す殺意と闘争心に体が怯んでしまう
「来い。木城」
「・・ありがとう。蓮真」
彼女は不死なる魔物に剣を振り下ろした
その瞬間、鮮血がまき散らされる
「ハハ、ハハハハハ!!!最後ぐらいは笑って死のう!!」
「・・・」
不死なる魔物は悲しそうな表情をしてながら、斬られ続けている
「グア!血が口に!」
「これ近づけないぞ!どうする!?」
「待機だ。あんな戦い方、いつか力尽きる」
異常者、その言葉は彼女にこそ相応しい
√彩菜蓮真
修羅の子、ドラが木城のことをそう言っていたことを思い出す
「木城は修羅の子だ。戦って戦って戦い続ける子だ」
そんなことを言っていた。確かに、木城は戦闘狂でヤンデレだ
でも戦い続けたいと言われたら、戦い続けたくないと思うんだ
木城と何週間か過ごしたから分かる。木城は普通の感性を持った普通の子だ
趣味や戦闘の話になると、おかしくなるだけの普通の子
好きな映画は、日常系。好きな本は、感動系
好きな料理は、シチュー。好きな動物は、爬虫類のトカゲ
好きな武器は、片手剣。好きな人は、俺
木城にはのんびり、幸せに生きて欲しかった
生きて欲しかったんだ
「ハハハ、ありがとうな。蓮真」
「・・いいよ」
手に肉を刺す感覚が広がっていく
「蓮真、私を殺したことを引きずってくれ、私を忘れるな」
「忘れないよ。絶対に」
手に血が何度も何度も何度も触れる
「ハハ、蓮真が私以外を見れなくなる。呪いの言葉を言おうか」
木城の手が蓮真の顔へと伸び、優しく頬に触れる
「蓮真、愛してる」
「・・・酷い呪いだな。一生引きずりそうだ」
木城は目を閉じた。お腹を刺され、出血した時から1週間ほど戦い続けた
木城は俺の手で殺し、安らかに、笑顔で死んだ
彼女は戦いで負けないと思っていた。だけど負けた
ドラですら勝てない最強の存在。そう思っていた
「最強生物」
ゆっくりと木城を地面に降ろす
「それを殺した俺は、不死で不老の最強生物って訳だな」
頭が驚くほど冷静だ。今ならなんでも出来そうだ
「・・・」
「ハハハハハハ!!!来いよ!不死なる獣!!」
「・・お前を殺す」
なろうか。最強に。俺の周りの人が死なないように




