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【改稿版】骨の十字架  作者: 園村マリノ
第三章

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47/80

20XX年10月XX日

 昼休み、中先生に呼ばれて社会科準備室に行き、耳を疑うような事を聞かされた。

 中先生は昨日の放課後、野村や山井たち数人を呼び出し、僕にいじめを行っているのかどうか確認したらしい。

 野村たちは全員いじめを否定し、僕が嘘を吐いていると反論した。それどころか野村と山井に至っては、過去に僕から嫌がらせをされていたとか、僕が夏休み中に学校の近所のスーパーで万引きをしようとしているのを見て止めたなどと、嘘八百を並べ立てたそうだ。

 何がショックだったかって、中先生は野村たちに、僕から直接訴えがあったと話してしまっていた事と、野村たちの話を鵜呑みにしていて、逆に僕を問い詰めてきた事だ。

 勿論僕は否定したけれど、中先生が信用してくれているかどうかは怪しい。

 どうしてこうなるんだろう。酷過ぎる。

 そしてもっとショックな事が起こった。

 お母さんがいなくなった。

 学校の帰りにお母さんのアパートに行ったら、もぬけの殻になっていた。大家さんに聞いたら、昨日引っ越して行ったけれど、何処へ行ったのかまではわからないと言われた。

 お母さんの携帯に電話したら、現在使われておりませんという、一番聞きたくなかったアナウンスが流れてきた。メールも何回も送ったけれど、やっぱり返事はない。

 お父さんとももう口を聞いていない(でも声はよく聞く。しょっちゅう大きな声で独り言を言っているから)。目を合わせる事もない。

 僕はひとりぼっちになってしまった。


 これを書いている今も誰かに見られている気がする。気がする、じゃなくて本当に見られているんだと思う。でも外には誰の姿もない。でも絶対に見られているんだ。

 誰が見ているんだろう。僕を心配してくれている人がいたりして。

 そんなわけないか。


 誰も信用出来ない。

 もう無理かもしれない。

 死にたい。

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