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制服のネクタイ

作者: 右。

この春から高校2年生の翔平は新しいクラスを楽しみに学校に通っていた。


「どんな人達と同じクラスかな、、」


少し緊張しながら席に着くと前の席の女子に声をかけられた。


「今日からよろしくね!」と声をかけたのは彩という女子だった。


「よろしく!」と返事をし、席に着いた。


今日は始業式のため正装をしなくてはいけなかった。


翔平の学校は男子は学ラン、女子は深緑のブレザーに黄色のネクタイを着用することになっている。


先生が朝こう話した。


「今日は始業式だから男子はホックを閉じて、女子は第一ボタンまで留めてネクタイ上まで閉めろよー」


先生の指示を聞き、翔平は学ランのホックを閉めた。


そして前を見ると彩が第一ボタンを止めている所だった。


なかなか止まらないのか上を向いたり、襟を掴み直したりしているその姿は、どういう訳か可愛く感じた。


ようやくボタンを止めることができたのか次にネクタイを付けようとしている。なぜかその姿を見てしまう


黄色のネクタイはゴムで調節でき、金具で止めるタイプのものだ。


彩は襟を立ててネクタイのゴムを後ろに回す。


後ろから見ている翔平は普段見えない襟の裏をじっと見つめていた。


なかなか金具のホックが付けられない彩の手を見て


「そこじゃないんだよなあ」と翔平は見ていた。


そしてようやくホックが溜まり襟を戻す彩。


襟を戻したつもりだったが、戻し切れておらず、半分襟が立った状態でネクタイのゴムが見えていた。


翔平はちゃんと着れていない彩の制服姿に興奮していた。


その時彩は無意識に首を動かし、異変に気づいた。


そして翔平に


「ねえ、後ろネクタイ見えてる?」と聞いた。


翔平はどきっとしながら


「ゴムが後ろから見えてるよ」と答えた。


彩は「ありがとう!」といい後ろ襟に手を当てたが、なかなか襟の中にゴムが入っていかない。


苦悶の表情を浮かべ見えない首の後ろのネクタイと闘う彩をみて翔平は可愛いと思った。


そして彩は女友達に


「ネクタイ後ろやって〜」とお願いをしていた。


その友達は「彩、少し触るね!」と言い彩の襟に触れる。


後ろのネクタイのゴムを引っ張られた彩はうぇっ!っと苦しそうにしていた。


こうして何とか付けられた彩のネクタイ。


第一ボタンまで留め、ネクタイを上まで締めている彩の姿を見て


「結構苦しい?」と翔平は聞いた。


「首が苦しいよ。男子はいいなあ〜」と彩。


固い襟が彩の首元を圧迫し、ゴムのネクタイがさらに彩を締め付けていた。


翔平は、そんな彩の制服姿を見て、毎日正装でいいのにと思った。


そんな翔平の高校2年生の生活が始まる。










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