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Aban
空はどこまでも青く、
未来はどこまでも見渡せる気がした。
あの頃は、
終わりや将来を考えても、
まだ漠然としていて、
先の心配なんか、
少しさえしていなかった。
だから大人になった今、
こうやって振り返れる。
きっとあの頃が、
人生で一番、
幸せで楽しかったんだって。
思い返せば、
あの頃が一番涙していた時期でもあった。
感情が渦巻き、
私は身動きも出来ず、
しかもそのことに気付いていなくて、
それがさらに、
今の私を自責の念に落とし込む。
螺子のない機械は、
いつだって少しだけ、
おかしなところを見せるのだ。