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第017話 「キヌガ大森林と歴史」

 それから1週間程でおばさんは全快した。


 今では病気は見る影もない。


「キョウには、本当になんてお礼を言ったらいいかわからないわ。

 もしよかったら、サラをお嫁さんにもらってくらないかしら」


「何いってるのお母さん、キョウさん困ってるでしょ」


「サラはどこにもやらん、キョウにもやらんぞ」


「じゃぁ、キョウには少し年上だけど()()()で我慢してもらえるかな?」


「バカ、おふくろ。

 いい年して何言ってるんだよ、いいかげんにしやがれ」


「何あんた、そんな顔して冗談にきまってるでしょ」


 みたいなやりとりが、食事中なんども繰り広げられる。


 僕は楽しく話を聞いていた。


 ジャックのおちゃらけたキャラクターは、どうやら母親を引き継いでいるようだ。


 この1週間、僕はジャックにこの世界のこと魔獣のことギルドのこと色んな話を聞いた。


 僕は一人で森に入って、バトルボアを日を分けて3匹狩ってお金に換えた。


 森に入ると言うと護身用にとナイフを1本くれたが使わなかった。


 軽く森を見回った感じバトルボアは数十匹は居た。


 だからもっと狩ることができたのだか、あまり多く捕まえると目立ち過ぎると考えてやめておいた。


 1週間で三匹でもジャックはとても驚いていたが、僕は『運が良かった』と言い張った。




 ♢




 ーーサトリーク大陸の創世の時代


 500年程前にこの大陸は血を血で洗う長い乱世の時代が続いていた。


 それを嘆いた創世の勇者 ティグハートは平和を求めて仲間達と共に大陸統一に動いた。


 その結果、サトリーク大陸は現在の3つの国に分かれた。



【キヌガ大森林】


 大陸の南部を覆う広大な森が国土だ。連合国。

 首都:ザヌース


 昔から色んな民族が独立して暮らしていたが小競り合いが絶えなかった。

 勇者ディグハートが間をとりもち、民族の代表で話合いの場が持たれ、今では連合国となっている。


 ウルムの村もキヌガ大森林にある。




【ティグハート】


 大陸北部一帯が国土。自由の国

 大陸で1番大きな国

 首都:ティグハート


 いくつもの小国で争いを続けていたのを勇者ディグハートが統一した。

 民族にしばられることなくすべての民が平等で自由であることを理念としている。




【ビルデガル】


 大陸中央部が国土。富国

 奴隷国とも呼ばれている。

 首都:ビルデガル


 勇者ディグハートの自由と平等に反対した創生の時代の王族や貴族達が、余りある富をつぎ込んで作った国。


 奴隷制、カースト制が今でも色濃く残っている。




 ーー魔獣換金所、冒険者


【魔獣換金所】は商人が運営している施設で、バトルボアの様な魔獣の素材をお金に換金できる場所だ。


 この大陸にはいくつもの魔獣スポットがあり、このウルムの村の森とそのうちの1つで魔獣換金所がある。


【冒険者】は魔獣を狩って換金して生計を立てている人々の総称


 1人で活動している人も居るらしいけど、4、5人のパーティを組んで魔獣狩りをするのが主流らしい。


 ウルムの森は魔獣スポットとして規模が小さいため冒険者の数もそこまで多くないらしい。


 しかし、通年を通して一定数の冒険者で宿が埋まり、食堂や酒場も冒険者で賑わっている。


 ウルムの村の一大産業だ。




 ーーこの世界にも魔法がある。


 僕の故郷と同じように5つの属性の魔法がある。


 けど魔法使いはとても珍しく、冒険者の中でもよっぽど強いパーティじゃないと魔法使いはいないらしい。


 回復魔法を使うのは教会の神官が多い。


 そして解毒系の魔法を使えるなんて上級神官クラスらしい。


 だから、僕のことも事情持ちの教会関係者だとジャック達は思っているとのことだ。




 ーー人間以外に亜人も多く存在する


 ウルムの村でも獣人をチラホラ見かける。

 獣人といっても、人間に耳が着いたようなタイプではなく、動物の顔体そのままに人間型の二足歩行の形状になっているタイプだ。


 人間に耳が生えているようなタイプの獣人も存在するらしいが、ジャックは見たことがないらしい。


 またウルムの村では見かけないが、エルフやドワーフなどの亜人もキヌガ大森林に住んでいるらしい。




 ーーグラディウム大陸のおとぎ話


 創世の時代よりもっと前にグラディウムと呼ばれる大陸から、赤目の悪魔が魔獣達を連れてやって来て、サトリーク大陸北部の 人々を何万人規模で虐殺したとされている。


 グラディウムの魔獣達は『現存する魔獣より数倍大きく』、赤目の悪魔はその名の通り数千の人々を一撃で殺してしまうらしい。


 赤目の悪魔達が去った後もその傷跡は深く、北部の国々は貧しくなり争い事も多くなり乱世になったと言うのだ。




 ♢




 僕はグラディウム大陸の『現存する魔獣より数倍大きく』という所にとても引っかかった。


 ウルムの森のバトルボアを見てはっきりしている。


 僕の故郷のイノシシはバトルボアより数倍大きい。


 赤目の悪魔には会ったことがないけど、ドラゴンは存在した。


 故郷の森の外に悪魔がいても不思議じゃない。


 グラディウム大陸は故郷の森と何かしらの関係がある。

 僕は直感的にそう感じた。


 だけど、グラディウム大陸は大昔のおとぎ話で、本当にあった話なのかも怪しいらしい。

 げんにこの世界の地図にグラディウム大陸なんて大陸は存在しない。


 調べる価値はある。

 何れにしても他に手がかりもない。


 僕はこのグラディウムのおとぎ話を調べる為にティグハート国へ向かうことに決めた。


 悪魔に侵略されたというエリアも現在のティグハート国だし、歴史の資料もいくつかはあるはずだ。

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