親友①
(俺はあの日海で、百恵の心を傷つけてしまった。しかも、俺はなんで傷ついたのがわかってない。俺は兄失格なんだ‥‥。いや、そんなことより何に対して百恵は傷ついたのかそれがわからなきゃ先に進めないんだ。思い出せ、あのとき海でー。
「おっす、一誠」
「ん、ああ龍也かおはようさん」
「ボーッとしてたみたいだけどどうかしたのか?」
「いや、なんでもない。気にすんな。それより、今日の授業ってなんだっけか?」
「一誠、お前まだ時間割覚えてないのかよ、しっかりしろよな!」
「そ、そうだな」
そうしているうちに学校に着いたが、俺は着いてからも、授業が始まっても、何も頭に入ってこなかった。百恵の事以外何も考えられなかったのだ。そして、そのまま昼休憩にはいった。俺はいつも龍也と二人で飯を食べているため、いつも通り龍也俺の所にきてお決まりのセリフを言った。
「一誠、一緒に飯食おうぜ!」
「ん、ああいいぞ」
「一誠、今日は屋上で食わないか?」
「ああ、構わんぞ」
屋上に着いた。俺と龍也は飯のときは何を話すわけでもなく静かに食べている。俺はその沈黙が心地よくて好きだ。しかし、その心地よさは今日に限ってはなかった。
「なあ、一誠悩んでることでもあるんだろ?」
「な、なにいってんだよ、俺がそんなに悩み抱える柄に見えるか?」
「ったく、本当にお前は昔っから嘘つくのがヘッタクソだよな。顔に出まくってるぞ」
「龍也‥‥」
「な、話してみろよ聞いてやるよ」
「龍也、ありがとな」(千愛のときといい今の龍也のときといいほんとに身近にこんないい奴ばっかりいて俺はほんとに幸せ者だな)
「どういたしまして」
「それじゃ、聞いてもらうぞ。俺はめんどくさいぞ。」
「任せろよ!」
つづく