自責の念
〜妹達side〜
「おかえり、どうだった?」
「ええ、楽しかったですよ」百恵の笑顔はひきつっていて無理をしているのが一目瞭然だった。
「そっか。」千愛はかなり察しのいい方でそれ以上はなにも聞こうとはしなかった。
〜一誠side〜
「この、くっそがぁぁぁぁ!!何が兄弟だよ、妹に頼られることもできねぇのかよ、一体今まで俺は何をしてきたんだよ、何がどちらかを選ばなければならないだよ!俺は今まで何様のつもりだったんだよ!俺には選ぶ資格なんてもってねぇだろ‥‥‥」
「ぃちゃん、お兄ちゃんってば!」
「んんっ、千愛か?」(もう朝か、疲れて寝ちまってたみたいだな)
「ねぇ、お兄ちゃん、昨日百恵と何かあったんでしょ?」
「そ、それは‥‥‥」
「私には言いにくいこと?」
「ああ‥‥」
「そっか、それじゃあ仕方ないね」
そういうと千愛は俺の部屋を出て行こうとした、振り返るときに見えた顔は辛そうな顔だった。(なんでそんな顔してるんだよ千愛‥‥っ、まさか昨日の俺と同じ!?まったく、なんで俺はこんなに馬鹿なんだか、頼られないことの辛さは昨日味わっただろうが、なに千愛に同じ思いをさせようとしてんだよ俺!)
「千愛!」
「なに?お兄ちゃん、あ、朝ご飯の時間にまた起こ―」
「相談があるんだ、聞いてくれないか」
「うん!いいよ」千愛の顔はさっきと違い笑っていた。
俺は千愛に昨日の朝から海でこと起こった出来事の一切を、嘘偽りなく話した。
「そっか、じゃあお兄ちゃんは私たちの気持ちわかっちゃったよね。わたし、」
「なんのことだ?」
「え?」
「ん?」
「そっか、お兄ちゃんはお兄ちゃんだったね。」
「人が真面目に話したんだから呆れないでくれよ」
「いや、お兄ちゃんの思ってるのとは絶対違うから大丈夫だよ」
「そうなのか?」
「まあ、そんなことより解決法を考えよう。」
「千愛、でもそれは帰ってきてからにしよう」
「どういうこと?」
俺は千愛に時計を見せてやった。季節で暗かったはずの外に朝日が昇っていた。空は俺の晴れない心と正反対で青く澄み渡っていた。
「もうこんな時間かー」
「千愛、放課後会うなら家じゃないところにしないか?」
「そうだね、それには賛成。百恵にはこれ以上は傷ついて欲しくはないから」
「それじゃあ、学校終わりに学校近くの駅前の喫茶店でどうだ?」
「んー、それだと知り合いとかに聞かれそうだから、二個先の濁ヶ岡駅の改札にしよ」
「わかった。」約束をすると千愛は颯爽と部屋から出て行った。
〜妹達side〜
「百恵、そろそろ学校行かなきゃ」
「今日は行きたくないです」
「そっか、じゃあ学校に電話しておくね」
「はい‥‥」
つづく