プレゼント
今日も俺は妹達へのプレゼントを
買いに街に繰り出していた。しかし、今日来ているのはデパートではなく商店街だ。行き先はあらかじめ決めているため足取りは軽快だ。そして、着いたのはアクセサリーなどを取り扱う店だ。昨晩、俺は今日が休みであることを知りほとんど寝ずに考えたのは百恵や千愛には常日頃、俺のために家事などをこなしてくれているが故にあまりおしゃれに金を使っていないはずだ。だから俺はアクセサリーを選ぶことにした。あらかじめネットで買うものには目星をつけているので店内に入り、昨晩決めたものを見つけると迷いなく店員に渡して俺は会計を済ませた。買ったのは赤と青で対になっているペンダントだ。
〜妹達side〜
「あ、お兄ちゃん何か買うみたい!」
「お兄様が帰ると言っていた時間までさほど時間はないのでプレゼントするとしたら明日にしそうですね…」
「それじゃ誰に渡したかわかんないじゃない!」
「生憎、私達も明日は学校ですし今日のように後をつけるわけには行きませんからね」
「学校を無断欠席してお兄ちゃんに迷惑はかけたくないしね」
「万策つきましたね。今回は仕方ないですが諦めましょう。」
「そうね、帰りましょう」
〜一誠side〜
ペンダントを買った俺は帰路についている。(財布が軽いな)と財布を持ち思う俺だったが妹のためだ我慢、我慢と思ったがふと思い直した。いや、妹にプレゼントならメリットのほうが大きいなと。(さあ、もうすぐ妹達の驚き顔が見れるぞ!)と、それぞれ百恵と千愛の反応を妄想しつつ玄関に手を伸ばした。そして、「ただいまー、千愛、百恵ちょっと来てくれないか」
「なんでしょうか」「なに?」
少し不機嫌そうな顔をしているが気のせいだろう、だよな?
「これ、なんだと思う?」
千愛、百恵は俺がものを見せた瞬間さらに不機嫌さが増したように見えた。いや、これも気のせいだ、そうだよな、うん。
「彼女かなんかへのプレゼントじゃないんですか?」
「んー、ちょっと違うな。」
「じゃあ街で知り合った女性へのプレゼントとかですか?」
「それも、違うなていうか街で知り合った女性なんていないぞ!?」
「じゃあ、知らなー」
「千愛、百恵いつもありがとな、これは日頃のお礼だよこれからもよろしく!」
2人は驚いたように目を見開いたとほぼ同時に目に涙を浮かべた。
「ど、どうしたそんなにプレゼントが気に食わなかったのか、それなら今すぐ返ぴー」
「お兄様、ありがとうございます。」
「お兄ちゃん、ありがと。」
さっき妄想してたはずの一誠の内心にはお礼を言われるという想像はもうなかった。だから俺は、狐につままれたかのような気分になった。
「え?、じゃあなんでないてるんだ、そんなに無理して受け取ることないんだぞ?」
「ただ、嬉しかっただけだよ!私も、多分百恵も。」
「ええ。」
「そっか、ならよかったよ。泣くほど喜んでくれたなら俺も嬉しいから。ていうか千愛がそんな顔をすることもあるもんだな」
「う、うるさい馬鹿!」千愛は顔を真っ赤にしてそう答えた。一誠はそれに気づいていないようだった。
ホクホクとした気持ちで部屋に戻ると俺はいつものように千愛、百恵どちらを選ぶべきか物思いにふけるのだった。
〜妹達side〜
「まさか、お兄様の買ったものが私達に、なんて思いませんでしたね」
「ね、なんかすごい申し訳ない気分になったよ」
「そうですね…」
「あ、そうだ!こんなのどう?」
「それはナイスアイデアですね、のりました!」
「それじゃあ、じゃーんけーん…
続く