櫻井一誠
「あぁぁぁ、にしても千愛と百恵は可愛い!」
俺は今、買い物から帰り百恵が晩御飯を作り終えるのを部屋で待っているのだ。
「にしても、俺はどっちを選べばいいんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そう、俺はシスコンである。しかもただのシスコンではなく、シスコンの極なのである。そして俺はずっと悩んでいる、兄としてそして一人のシスコンとして、彼女にするなら千愛か百恵かということである。まず千愛はなにより顔がとてつもなくかわいい。それに加えツンデレ(デレは少量だが)属性を持ち合わせている。次に百恵は千愛に比べれば劣るが顔がいい。そして家事ができる。なので2人のどちらかを選ぶのはパ◯ドラの壊滅級、モ◯ストの爆絶級、F◯Oの超高難易度クエスト以上の難易度であるのだ。こんなことを悩んでいると部屋にノックがされた。
「お兄ちゃん、ごはんできたってよ」
「わ、わかった」
「どうかしたの?」
「いや、なんでもないよ、ありがとう。」
「そっ。」
(とっさに入ってきたもんだから焦ったぜ、考えてたこと声に出てないよな?まさかな)
(どうしよう、え、えええ。お兄ちゃん、今妹のどちらを選ぶべきかとか言ってなかった?いや、で、でもまさか)
そのあとは皆黙々とご飯を食べ俺はこの後何事もなく1日を終えた。
〜妹達side〜
「い、いいい、いまなんとおっしゃいました?」
「だからお兄ちゃんが部屋で私たちの2人どちらを選ぶべきかってことを言ってた気がするの。あ、でもあくまで気がするだからね!」
「んー、でしたら直接確かめればいいのでは?」
「えぇぇ、で、でも気のせいだったらどうするの?」
「ですからそのためにかなり冗談っぽく聞くんですよ!」
「そ、そっか。なら大丈夫か」
「では、決行は明日お兄様が帰ってきたらということで。」
「了解!」
そして翌日のその時がきた。
「そろそろ、お兄様が帰ってくる頃ですね。」
「そうね。」
「ただいまー」
(きたっ!)
「おかえりなさい。あ、あのお兄様帰ってきてすぐでお疲れなのは承知なのですがひとつだけお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「うん、構わないよ。なんでも言ってごらん。」
「では、お言葉に甘えて、お兄様!」
「うん?」
「お兄様でしたら、私と千愛さんどちらを彼女にしたいでしょうか?」
(!?!?)
「ごめん、もう一回だけ言ってくれないかな?」
「ですから、彼女にするなら私と千愛さんどちらがいいということです。」
「それは最近迷ってることなんだよな。」
(やばい、声に出た、絶対にでた。まずいまずいまずいまずい!)
「お兄様いまなんと?」
「だ、だからマヨネーズが好きな方かな、なーんて冗談だよ。僕たちは兄妹なんだから選ばないよもちろん。」
「お兄様、冗談でしたから、そんなに真面目に答えなくてもよかったんですよ。」
「そうなの?いや、でも百恵がいつになく真面目な顔をしてた気がしたからさ」
「いえいえ、そんなことはないですよ」
「そっか。じゃあ部屋に荷物を置いてくるよ。」
「夕飯はあと30分程で作り終えるのでお呼びいたします。」
「ありがとう。」
〜一誠side〜
「いや、ほんっっっとまじで焦ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!なんかもう最近素の状態で質問に答える事が増えた気がするぜ。」
俺は欲望に忠実な方だと自負している。が、決して外に出したりはしない。なぜなら俺の欲望は決してあってはならない欲望だからだ。おそらく俺はこのまま妹たちとなんの進展もなく生涯を過ごしていくのだろう。俺はこれに気づいているが決して妹のことへの好意を無くしたりはしない、しなくてはならないのだ。俺はそう決めたのだから。そうあの時から
続く