家の様子
俺は先程の店でなにも買わなかったのには理由がある。妹達に買ったら喜びそうなものもたくさんあった、だかしかし買わなかった。それは、店員が外国人だったのである。最初は日本語すこしくらいは大丈夫だろうと思ってレジの様子を伺っていたのだが、客と店員のやり取りが全て外国語で交わされていたのである。俺は英語などの外国語はめっきりダメだったので断念したのだ。と、まあこんな感じでいろいろな店に入ってみたのだが、目ぼしい物がなかったり、女性専用の店だったりと結果的に今日プレゼントを買うのを諦めることにした。
〜妹達side〜
「結果、なにも買わずにでてしまいましたね」
「そうね、なにがしたかっただろうね?」
その時、ふと、時計を見ると針が示していたのは7時25分だった。
「どうしましょう、お兄様にカレーを作ると言ってしまったのに」
「お、お、落ち着きなさい、か、買い物に手間取ったことにすればいいじゃない」
「そうですわね、そうと決まれば急いで買い物をして帰りましょう。」
「お兄ちゃんがなにをしようとしてたのかは気になるけどしょうがないわね」
〜一誠side〜
(なにも買えなかったけどまた今度買ってやればいいか)
「ただいま〜」
(あれ?)
「ただいま〜、おーい」
「・・・・」
(い、いないだと。お、お、お、落ち着け櫻井一誠よ。こ、これはきっと妹からのドッキリだ。うん、そうに違いない。)
「ち、千愛〜、も、百恵〜、タチの悪いイタズラはよしてくれよ」
「・・・・」
(まずいまずいまずいまずい、俺がいない間に妹達になにが起きたんだ、俺は今からどうすればいいんだ、考えろ、俺。いや、考えるな感じろ櫻井一誠よ。)
と、その時
『ただいま〜』
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「どうしました、お兄様」
「も、百恵?」
「そうですが、それより先程の声はどうなさいました?」
「い、いやぁいま大きい虫みたいのがいてな、俺は虫が苦手だからすこし焦っただけだよ。」
(あっぶねー、悟られたらまじ俺詰むからほんとまじで)
「そうですか、なにかお兄様によくないことが起きたのかと思ってしまいました。」
「心配してくれたのか、ありがとな。あ、そうだあと千愛は?」
「下にいますわ。」
「そうか、それより2人は留守番どうしたの?」
「すいませんお兄様、カレーの材料が足りなくて買い物に行ったら予想以上に時間がかかってしまいまして。」
「そっか。買い物ね、ありがとう。じゃあご飯ができたら呼んでくれると助かるよ。」
「わかりました。」
俺はやっと部屋に戻りゆっくりすることができるようになった。
続く