作戦会議
「二人の妹を二人とも好きになってるねぇ‥‥あ、じゃあ二人の妹どっちとも付き合うっていうのはなしなのか?」
「すまん、それだけはだめなんだ‥‥」
「なんか、訳ありみたいだな」
「ああ、俺の家に父さんがいないの知ってるよな?」
「うん」
「理由が離婚っていうのはわかると思うんだけど、離婚理由が父さんの浮気なんだ。」
「そうか、なら仕方ないよな。」
「なんか、おもい話してすまんな。」
「かまわんよ、それはさておきそうなると解決法は一つしかないよな。」
「あるのか!?解決法!」
「あるにはあるんだが、お前に取って覚悟のいる決断になるぞ。」
「いい、言ってくれ!」
「んじゃ、一誠お前百恵さんだかに告白しろ。」
「はぁ?お前最初に方の話聞いてたのか?俺は百恵に相談されないくらいに嫌われてるんだぞ‥‥」
「百恵さんと千愛さんだっけか?お前がこんなんだと苦労してるんだろうな。」
「いってる意味がさっぱりわからないんだが?」
「百恵さんには申し訳ないことだけど言っとくが百恵さんはお前のことが好きなんだぞ、話聞いてる限りは確実に!」
「待て待て、どうしてそうなった?まさか龍也、お前馬鹿なんだろ、そうなんだろ!」
「はぁぁ、馬鹿はお前だ一誠、最近百恵さんの態度がおかしかったんだろ?特に千愛さんといるときに?」
「あ、ああ。」
「これはどう考えても嫉妬だろ。」
「ホワッツ!?」
「はい、次!お前が海で百恵さんに言われた言葉は?」
「相談するのは俺じゃ駄目だってことだ‥‥」
「本人に好きなことを相談してどうするんだ?それじゃ相談じゃなくて告白になっちまうだろ?」
「えっと、ようするにどうゆうことだ?」
「最初に行ったとおりだ、百恵さんはお前のことが好きなの!理解?」
「へーそうなのか、ってんん!?えぇぇぇぇぇぇぇ!?百恵が!?俺を?」
「うん、だから一誠が百恵さんに告白したら解決ってわけ。」
「でも千愛がなぁ‥‥まあでもわかった、千愛にも相談してみるよ。」
「一誠、やっと笑ったな。」
「そうか?」
「ああ、めっちゃしんどそうだったぞ。」
「だとしたら、龍也のおかげだ、サンキューな!」
「どういたしまして、っと授業が始まっちまう急ごうぜ!」
「おう!」
(百恵が俺のことが好きなんて心の整理がまだ間に合わないけど、それに何がが引っかかる気もするがでもまあ、とりあえず百恵の件を解決するか)
先程までは、澄んでいた空は一誠の心が少し澄むとは反比例して曇天模様が見え始めていた‥‥
学校終わりに俺は軽くなった足で千愛との待ち合わせ場所に向かっていた。空は雨模様へと変わっていた。
「すまん、千愛遅くなった。」
「ほんとだよって、お兄ちゃんなんか表情が軽くなったね、なんか策でも浮かんだ?」
「ああ、とりあえずの解決策はな。」
「まずはお店入ろっか。」
俺と千愛は店に入るとソフトドリンクを一つずつ注文し、店員が品を持ってくるのを待ち、届いたところで話を始めた。
「それじゃ、お兄ちゃん策とやらを聞かせてよ!」
「まあ、単刀直入に説明すると俺は百恵に告白しようと思うんだ。」
「え‥‥ちょっと待ってお兄ちゃん‥‥百恵のこと好きだったの?」
「ああ」
「そっか‥‥じゃあ問題は解決しそうだね‥‥」
「どういうことだ?」
「百恵もお兄ちゃんのこと好きだから。」
「やっぱり‥‥」
「やっぱり、ってお兄ちゃん気づいてたの?」
「いや、すまん千愛」
「なんで、謝るの、もしかしてお兄ちゃんやっぱり私達の―」
「龍也ってわかるだろ、あいつに悟られちゃってな、そしたら相談乗ってくれてたぶんそうだろうって。」
「そう、なんだ。まあ、その人に感謝だね。あとお兄ちゃん、頑張ってね」
「ありがとな、んじゃ帰るか。」
「わ、私買い物あるから先に帰ってて!」
「買い物なら付きあ―」
「いいの、いいの少ないから私ひとりで大丈夫。」
「そうか、じゃあ先に帰ってるぞ。」
「うん‥‥」
俺と千愛はそこで一度別れた。千愛の心に爆弾を放置してしまったままで‥‥
〜妹・千愛side〜
お兄ちゃんと別れた私は一人で昔お兄ちゃんとよく遊んでいた河原に来ていた。今、私の中に渦巻くドロドロしたものを吐き出すために‥‥
「お兄ちゃんのバカ、バカ、どうして‥‥どうしても百恵なのどうして私じゃないの?」
雨がお兄ちゃんといたときよりも強く服はずぶ濡れだったのにちっとも気にならなかった。
「なんで、なんでよ‥‥あぁぁぁぁぁ‥‥」
私には泣くことしかできなかった。十分に泣いた後帰ることにした。心の中のドロドロは少しもとれなかった。でも我慢しよう。お兄ちゃんのためだから。お兄ちゃんのためならなんだって耐えられる。そう、お兄ちゃんのためなら‥‥
続く