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枕の下に 希望の上に(2)

人間ルーレット

チンアナゴを見た男の子の

「チンチンみたいだね」という

微笑ましい感想を

恥ずかしがった母親が

横で注意していた

何かが消えていく瞬間を

見た気がした




ホームレスのおじさんに

道を聞いた青年は

しっかりと

道を教えられていた

それでも

難しい顔をした青年に

「着いて来い」と無骨に言う

ホームレスのおじさんの提案に

「結構です」と言いながら

近くの自販機で買った

缶コーヒーを渡して別れていた

どっちが社会を回せるのか

わからなくなりそうだった




「諦めるな」が口癖の

熱血教師は

奥さんと子供との生活を諦めた

理由はどうあれ

「諦めるな」の言葉が

何と無く

薄くなった気がした

あの口癖だけが

今も体育館に響いている




子育てを舐めていた女性の内

舐め切った人はニュースになる

「ある意味で信念を貫いてる」

そう言った彼は

間違い無く勝ち組で

給料が良くて

可愛い奥さんがいる

今度

家を買うらしい

子供が出来る前に

準備している彼に

同じ事が起きないとは

誰も言えない




手首に傷のある彼女は

「食べる事は作業なの」と言った

彼女はパスタ生活だ

僕は何も言え無かった

言わない方を選んだ

責任を取る相手は別に居る

彼女には

大切にされている彼氏がいる

その幸せで

彼女にとっては良いのだ

結婚という未来が無くても




満月を見ながら

煙草を吸った

一人で居たいと思うのは

一人で居られない現実があるから

くだらない文章を

ゴミ箱に捨てる

ティッシュペーパーのように

書いても

くだらない昨日までを

拭い去る事は出来ない

じゃあ

何を染み込ませているのか

わからないまま

染み込ませた

ティッシュペーパーを

今日も書いては捨てる





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