とある老婆の日常会話
おば(あ?)ちゃん達の、普通の会話です。
「ねぇ、例のお化け屋敷行きなさった?」
「あー、うちの孫達が行きたい行きたい言うから一緒に入ったんやけど、あれは怖かったわー」
「ほんとー。タケちゃんが言うんやから相当やねえ。いかんで良かったわ」
「まー、おばけさん驚かすの上手でなあ。うちの孫達もわんわん泣いて。その日眠れんくて寝かすの大変やったんよ」
「あらー、それは大変やったなあ」
「わたしで怖いんやから当然よね。だから、今度はモンキーパーク連れてこう思ってるんよ」
「犬山のね。まー、ちっちゃい子にはあーいう遊園地の方がいいわな」
「あー、でもあそこ昔ゴリラ逃げたことあったよね。オバケもあれやけど、ゴリラも恐いでー」
「そうやなー、ゴリラは大きいからな」
「やろ? この前テレビでゴリラに子供が引っ張られるの見たけど、すごいパワーやったよ」
「あー、それわたしも見たわ。今村さんの番組やろ? ほら、トリカワだったかユリカワやったか言うやつ」
「サメハダやなかったっけ?」
「いや、サメじゃないやろ。やっぱエビカワやて」
「そーやそーや。なんかおめでたい感じやったわ。エビカワやわ」
「エビカワエビカワ!」
時計屋の前で、ご婦人達の他愛ない会話は続く。
柳ケ瀬商店街は、今日も平和なのでありました。